【第4期】2017年6月22日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、石川さんです。

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6月22日のゼミでは、『大いなる遺産』の41章〜53章まで読んでいきました。

あらすじ
 プロヴィスはハーバートに秘密守る誓いを立て、彼に自分のことを話すのを許した。その後のピップとハーバートの相談で彼を国外へ連れ出そうということになった。翌朝、昔沼地で取っ組み合いをしていた男について聞くと彼の名はコンピィソン、彼の商売は詐欺や文書の偽造などでその仲間にプロヴィスも入った。やがて商売のことで起訴され、そのときプロヴィスが雇ったのがジャガーズであった。結果プロヴィスはコンピィソンよりも重い罪を受けた。その後コンピィソンはミス・ハヴィシャムをだました男で、彼の亡くなった相棒のアーサーは彼女の弟だとハーバートからピップに告げられた。ピップは外国へ脱出する前にエステラとミス・ハヴィシャムに会おうと思ったが、エステラがサティス・ハウスに帰っていたためサティス・ハウスへ向かった。そこでエステラに愛を告げたが、彼女はそれを理解できないと言い、ドラムルとの結婚もやめるつもりはなさそうだった。サティス・ハウスを去り、帰宅していると門で「家に帰ってはいけない」と書かれたウェミックからの手紙を受け取ったため、その日は帰らず翌朝ウェミックの家へ向かった。ウェミックによると誰かに見張られており、ハーバートによってプロヴィス(名は出さなかった)はハーバートの婚約者の家に移動させたとのことだった。これからの計画への助言をもらい、その家へ向かった。プロヴィスに会うとこれからの計画を伝え、その後はハーバートの提案で彼を我々のボートに乗せるために他の人に怪しまれないよう何度もボートの練習をした。ある日練習を終えた後ピップはウォプスル氏の劇場を見に行った。そのとき、彼との話で観劇中ピップの後ろにコンピィソンがいたことを知る。ウォプスル氏のもとを去った後、ジャガーズ氏に声をかけられウェミックも入れて食事を共にすることになった。そのとき彼の家政婦、モリーの様子にエステラが重なった。ウェミックによると彼女は昔ジャガーズ氏に弁護され、殺人の罪を逃れた。翌朝サティス・ハウスへ行くと、ハーバートをクラリカーの共同経営者にする支援を彼女の秘密を守ることを条件に900ポンド受けられるようになった。帰ろうと考えていると、大きな炎がミス・ハヴィシャを襲い、彼女を助けるためにピップもかなりの火傷を負った。彼女は大けがを負ったがそれよりも精神的ショックの方が大きかった。ハーバートはピップを看病し、ピップは彼にプロヴィスの過去を話した。そして最後に彼の子がエステラであることを告げたのだった。翌朝エステラの両親を追及するためにジャガーズ氏に会いに行き尋ねると、ある裕福な女性が養女を欲していたこと、ある幼い子供の父親は娘が死んだと思っておりその母親にはその子を手放すことを条件に無罪に尽力したこと、を仮説として話し、またその秘密を暴くことは誰も幸せにはしないと告げた。ピップは色々な取り決めをしに戻ると、沼地にくるようにいう不思議な手紙が届いていたため、そこへ向かった。小屋に入ると、首を絞められ壁に縛り付けられた。正体はオーリックでピストルを持ち、ピップを非難した。ジョー夫人を殺したのもオーリックであり、プロヴィスのことも知っていた。ピップを殺そうとしたがトラブ小僧、ハーバート、スタートップが助けに入り未遂に終わった。プロヴィスのために逮捕状を出すのは控えた。そして水曜を迎え、計画を実施する準備を整えた。

 48章でピップの“But she was aquitted.”(p.392 l.33)という問いに対して、ウェミックが“Mr.Jaggers was for her,”(p.392 l.34)と言わしめる点からジャガーズ氏の有能さがうかがえます。ではプロヴィスの裁判では負けたのは何が原因だったのだろうか、というのが気になりました。かなり立場が不利であったのもありますが、コンピィソンの立派なジェントルマンの恰好や位の高い人による証言が判決に大きく影響したのでしょうか。
 53章では“Old Orlick’s a going to tell you somethink. It was you as did for your shrew sister.”(p.426 l.18~19)とあるように、オーリックがジョー夫人を襲った犯人であったのが明らかになりました。16章の最後でジョー夫人が襲われた後オーリックと仲良くしようとしていた場面(She manifested the greatest anxiety to be on good terms with him.(p.124 l.15~16))を思い出すと、とても心苦しい気持ちになりました。
 41章からは物語も終わりに近づき、今まで謎だったことの多くが明らかにされていきました。物語が進むにつれ、ピップの気持ちが変わっていくのがとてもおもしろいところではないでしょうか。全体を細かくみていった後で、全体でピップにどのような変化が起きているのか、再度読み直してみたいと思います。

 来週からは『大いなる遺産』の全体像に関する発表が始まります。発表では色々な視点で物語がみられるのでとても楽しみです。大変ではありますが、発表の準備頑張りましょう!

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時間的な関係から最後の数章はみんなでじっくり読むことができませんでした。が、自分なりにきちんと読んで、発表をしてくださることでしょう。楽しみにしています。