【第4期】2018年1月11日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、横井くんです。

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今日のゼミは、12/20に提出した卒業研究についての発表でした。

高慢と偏見』におけるマナーについて (林日菜子さん)

林さんの発表は、登場人物たちを「マナー」という観点から各々がどのような人間であったかを分析するものでした。また、主人公のエリザベスはその登場人物たちをどのように判断したのかを述べていくものでもありました。登場人物のマナーに対する分析では、それぞれのマナーの特徴を分析し、それらのマナーがエリザベスからの視点ではどのようなものに映ったのかを論じていました。
高慢と偏見』では身分といったことが登場人物たちにとって重要な要素であるように思います。ダンスを踊るにもひとつひとつのマナーがあり、他のマナーをあげればきりがありません。それらに縛られようとしないエリザベスの行動は特筆すべき部分があるように思います。登場人物の行動(マナー)も彼らの身分によって変わっており、それを分析していくのは大変だったと思いますが、その分彼らの行動の動機がとても分かるように思いました。

チャールズ・ディケンズとクリスマス (井元歩さん)
井本さんの発表は、チャールズ・ディケンズ『クリスマスキャロル』を中心としてディケンズにとってクリスマスとはどのようなものだったのかを分析するものでした。過去・現在・未来の精霊とスクルージが見たものを考察していきながら、ディケンズにとってのクリスマスはどのようなものだったのか、ディケンズはクリスマスをどのように描いきたかったのかを述べていく内容でした。井本さんは、ディケンズの描くクリスマスには家族を象徴するワードが多く含まれており、楽しい記憶もつらい記憶も両方を思い起こさせるものであると同時に、過去を受け入れることで前向きになれる人が増えてほしいという願いがあったのではないかと述べていました。
スクルージに貧乏人に対する非常に冷ややかな行動は彼の幼少期の経験の裏返しであるように思います。ディケンズが過去を受け入れる前向きになる日としてクリスマスを描いたとするのならば、クリスマスは同時に己と向き合う日でもあるのではないかと思いました。

Never Let Me Goにおけるクローン人間(横垣麻弥)
横垣さんの発表は、Never Let Me Goに出てくるクローンたちを人間らしさという観点から分析するものでした。クローンではない人間たちのクローンたちへの反応と、クローンたちの心情、このふたつに注目をして人間らしさとは何かを論じていました。
クローンたちはテレビの中の人間の行動の真似をしたり、ポシブル探しをしたりしますが、それらの行動はクローンたちが人間らしさというものへの憧憬があるからなのではないかと思います。クローンたちにとっての人間らしさとは何なのかが気になりました。

今回の講義では最初に矢次先生から論文の形式についての注意がありました。その際に矢次先生が仰っていたことは「読む人間の視点に立つ」という点で一貫していたように思います。論文の形式や文章を整えるのは読む人間が読みやすいようにするためであり、その視点は社会に出てからもずっと付きまとうことだと思うので、まずは論文の形式に気を配るということが読む人のことを考えることの第一歩なのかと思いました。

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形式等の修正作業が残っていますね。インフルエンザや風邪が流行っていますが、最後まで気を抜かずに、よい論文を仕上げていただきたいです。