2012年10月24日のゼミ日誌

今回の日誌当番は敷島さんです。


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第9章 忘れられない誕生日


主な登場人物:クリークル校長先生の奥さん、ミスター・オーマー、ミニー、ジョーラム、ペゴティー、マードストン姉弟


ポイント:デイヴィッドは3月の誕生日にクリークル校長先生の奥さんから母クレアラの死が伝えられた。後日ミスター・オーマーからは弟の死が伝えられた。ミスター・オーマーに喪服を仕立ててもらい、母の葬式に参列した。ペゴティーに再会し、母の最期の様子を聞かされた。


第10章 構われなくなり、自活のお膳立てをされる


主な登場人物:ペゴティー、マードストン姉弟、ミスター・バーキス、ミスター・ペゴティー、ハム、ミセス・ガミッジ、エミリー、ミスター・クィニオン


ポイント:ペゴティーがマードストン姉に一ヶ月前の解雇通知を申し渡された。デイヴィッドもネグレクトの状態にされ、構われなくなった。ペゴティーとミスター・バーキスが結婚した。そうしてペゴティーと別れ、学校もやめさせられマードストンの家で孤独な日々を送っていた。クィニオンが管理しているマードストン=グリンビー商会で働くように言われ、ロンドンへ。


第11章 自活を始めるものの、気乗りしない


主な登場人物:ミスター・クィニオン、ミコーバー夫妻


ポイント:デイヴィッドは10歳にしてマードストン=グリンビー商会で働き始めた。マードストンの知り合いである貧乏なミスター・ミコーバーのところで下宿させてもらえることに。しかしミスター・ミコーバーは債務者監獄に入れられてしまい、デイヴィッドも刑務所近くの小さな部屋に引っ越すことになった。


第12章 なじめない自活に、一大決心する


主な登場人物:ミコーバー夫妻


ポイント:ミスター・ミコーバーが釈放された。ミコーバー一家はプリマスへ旅立つことになり、デイヴィッドはまた孤独になった。彼は仕事にうんざりして、マードストン=グリンビー商会から逃げ出してミス・ベッツィのところへ旅立つことを決心した。旅に出る時にロバ曳きの男に騙されて荷物とお金を盗まれた。


第13章 決心の顛末


主な登場人物:ミス・ベッツィ、ジャネット、ディック


ポイント:ロバ曳きの男に盗まれたので全財産がたった半ペニー銅貨3枚になり旅を続けることが困難になった。それで飢えをしのぐために衣服を質屋に売り9ペンス手に入れ、旅の途中にセーラム学園で野宿もした。また、奇妙な老人の店で服を売り4ペンス手に入れ、再び長い徒歩の旅へ。浮浪者に絡まれたりもして大変なことが多い旅だったが最後には貸馬車の御者にミス・ベッツィの居場所を教えてもらった上、1ペニーをもらうという良いこともあった。そしてミス・ベッツィと再会して家に入れてもらい、お風呂、食事と世話をしてもらい、彼女の親切さに気づく。


<感想>


デイヴィッドは子どもなのにビールを飲んだり、仕事をしたり、マードストン=グリンビー商会から逃げ出す時に「ぼくの悪評を残したくもなかった」とrespectabilityを気にしたりして子どもなのに大人扱いをされているという、現代の子どもとは全然違った生活をしているところが面白いと思いました。同じように子どもが子ども扱いしてもらえない時代を描いた『リトル・ドリット』も読んでみたいです。


=====ここまで=====


『リトル・ドリット』は子供が子供扱いしてもらえない時代を描いている、というか、ヒロインのエイミー・ドリットは幼い頃から家族にとても頼られていて、子供なのにお母さん役をしなければならなかったのです。『デイヴィッド・コパフィールド』にも、エイミーみたいな女性が出てきますよね? エイミーが債務者牢獄で生まれ成長したのに対して、『デイヴィッド・コパフィールド』に登場する「子ども扱いされないという点でエイミーみたいな女性」は中産階級のお嬢さんですが。


再登場したミス・ベッツィがデイヴィッドの人生をどう導いていくのか、これからの展開が楽しみですね。