2013年1月16日のゼミ日誌

『デイヴィッド・コパフィールド』を読んで気になった社会背景などについて調べたものを発表してもらいました。今回の日誌当番は梅木さんです。


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『デイヴィット・コパフィールド』における社会背景について(藤澤さん)
・19世紀のロンドンー食料品問題(食品の混ぜ物)
・娯楽ー劇場
・孤児ー産業革命により一気に増加
・オーストラリア移民ー産業革命による人口の増加が原因


19世紀イギリス女性の結婚と社会進出について(曽根さん、野村さん)<結婚について>
・結婚式ー教会で結婚式を行うためには3回婚姻予告を公示する必要あり
ハウスキーパーー家の運営のほとんどを任される<社会進出について>
・夫の庇護下にある婦人ー妻は夫の動産
・様々な権利の獲得ー未成年者保護法(1839)、婚姻訴訟法(1857)、既婚女性財産法(1870)
・職場進出から参政権獲得までー結婚したくてもできない「余った女」の増加


19世紀イギリスの教育とディケンズ(羽藤さん)
・19世紀初期ー「廃墟と虐待と不道徳の温床」、19世紀中期ー多くの学校創立による全盛期、19世紀後半ー教育刷新
・19世紀中期中期の寄宿制中等学校における生徒指導ー退学によって罰するラグビー校トマス・アーノルド、退学制度に反対するアピンガム校校長エドワード・スリング


感想
食料品問題に関して『デイヴィット・コパフィールド』の中で、登場人物が食品に対する不信感を抱く場面がいくつかあったが、不信感を抱いている理由が今回の発表を聞いて分かった。女性の社会進出について「余った女」という表現が印象的だった。生徒への罰の与え方に対する対立が19世紀中期のイギリスであったということを知って問題の内容は異なっているとしても、教育問題はどの時代にもあるのだと思った。


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藤澤さんが言及したベッチー・トロットウッドのセリフ「このビフテキも本当にビーフだといいけど怪しいものよ」(23章)など、「あれ?」と思うセリフの背景を調べてみると当時の食料品問題など、興味深い(怖い)背景が浮かび上がってきますね。デイヴィッドの寄宿学校での経験も当時の教育を調べてみると「なるほど」と思えたり。当時の女の人については、アグネス・ウィックフィールド以外にも理想に適った人がいたのかどうか…。今は今で大変ですが、ヴィクトリア朝ヴィクトリア朝で大変ですね。