2013年7月18日のゼミ日誌(第1期)

今回の日誌当番は森下さんです。

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今回は前期最後の授業でした。A Room with a Viewの12章を読みました。

前回の授業で、読み込んでくるように言われていた部分
・どのような池なのか
・ジョージとフレディーが子供のように戯れるシーン
・ビーブ牧師が男女平等を冗談でほのめかすシーン
・ジョージたち3人とセシルたち3人の違い
を、中心に読んで行きました。

129ページから130ページはフレディーとビーブ牧師が越してきたジョージを訪ねる。
131ページは、フレディーが初対面であるジョージに対してのあいさつで「はじめまして、一緒に水浴びに行きませんか」と言う。それをビーブ牧師は面白がり、男女平等についてエデンの園や肉体や過去のものなどと例を出しながらジョージと話していた。

134ページで池についてフォースターが描写しているが、池を見たビーブ牧師は「池というものが為しうるもののなかで最高のものだ」と言っていた。池に着いたジョージたちは水浴びをし、走って身体を乾かし、水に入って身体を冷やし、茂みの中でインディアンごっこをし、水に入って汚れを落としたり、服の束を蹴り合ったりと戯れていた。

137ページでセシル、ルーシー、ミセス・ハニーチャーチが池に現れる。ミセス・ハニーチャーチはなぜどうして家のお風呂に入らないのかと驚く。セシルは「私達には関係ないことだ」と言い土手に登っていく。そこでルーシーはジョージに再会し、ジョージはミセス・ハニーチャーチとルーシーにあいさつをし、12章は終わる。

【感想】
12章は面白味のある章だったと思いました。gentlemanだったはずのビーブ牧師がフレディーから水浴びに誘われたことによってnot gentlemanに引っ張られてフレディー達と一緒に水の掛け合いをしたりするし、一方セシルはgentleman(大人の対応)というよりは関わりたくない(子供っぽい?) というのが出ているなと思いました。ジョージはnot gentlemanというのが分かりやすかったし、ミセス・ハニーチャーチの人柄もすごく出ていました。
ヴィクトリア朝の価値観に影響された見解(ビーブ牧師の男女区別や肉体よりも精神を大事にする)も描かれているがエマソン親子という逆の見解を持つ人物も描かれている。自然にひかれた人間の行動である水浴びはルーシーも昔にしているのだからやっぱりセシルよりジョージとくっつく筋書きだったんだなと思いました。

=====ここまで=====

ビーブ牧師たちも滑稽だし、セシルのジェントルマン然とした、しかしどこか的外れな態度も滑稽な場面でしたね。この場面に限らずセシルの大真面目なのに的を得てない態度は可笑しいのだけど、何だか物悲しい気がして、彼と上手に付き合える女性が現れることを(小説中では現れませんが)私は密かに願っています。「親戚の叔母さんにシャーロットそっくりな人がいる!」という森下さんのコメントも面白かったです。