6月11日のゼミ日誌(第3期)

今回の日誌当番は徳永さんです。

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今回は第7章の続きから入りました。担当は私と信清さんです。

今回の範囲ではエリザベスのジェインに対する思いと、エリザベス個人の考察に重点が置かれていました。

ベネット夫人による"You will not be fit to be seen when you get there."に対し、エリザベスは"I shall be very fit to see Jane which is all I want."と答えています。このとき、ベネット夫人は"fit"を"適切である"ととらえているのにも関わらずエリザベスはそれを分かった上で"fit"を"健康である"といった意味で使用しています。ここからエリザベスの機転の良さが伺えます。

"I admire the activity of your benevolence," observed Mary, "but every impulse of feeling, should be guided reason, and in my opinion, exertion should always be in proportion to what is required." メアリーは物事を客観視し、めんどくさい言い回しをわざと使用しエリザベスに対して皮肉めいた言葉をかけています。物語中、所々メアリーの言葉が出てきますが、どれも皮肉めいていて本作品のポイントとなっていると思います。

エリザベスが身体中泥だらけな汚れた様でネザーフィールド屋敷に到着するとダーシーは、"The former was divided between admiration of the brilliancy which exercise had given to her complexion, and doubt as to the occasion's justifying her coming so far alone." 運動で美しく輝いたエリザベスを綺麗だと思う一方、エリザベスの行為は正しいかどうかと疑い、矛盾が生じています。

エリザベスはビングリー姉妹がジェインを心配している様を見て好意を持つようになりますが、その後ビングリー姉妹は本当は人の手前、心配している振りをしているだけであったことに気付き、彼女たちに嫌悪感を抱いています。ここからエリザベスは彼女たちのことを観察し心の中で考えるだけで直接対峙しようとしていないと思いました。今までも、エリザベスは思ったことをはっきりと言う場合と心の中で思うだけの場合とありましたが、今回はビングリー姉妹と仲良くしないとビングリーと結婚するであろうジェインに悪いと考え、心の中で思うだけに留めることでエリザベスのジェインへの思いやりを強調していました。

冷静で観察眼の優れたエリザベスの気持ちを唯一乱す存在がダーシーであり、今後の二人の関係、そして個人的に私はすぐ思ったことを発言するメアリーが気に入っているので彼女の動向にも注目したいと思います。

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メアリーは空気が読めないと言えば読めない、マイペースと言えばマイペース。オースティンの彼女に対する視線は冷ややかかなと思いますが、また、ベネット姉妹の中でどうも影が薄いのですが、そんな彼女だからこそ注目し甲斐があるかもしれませんね。