6月12日のゼミ日誌(第2期)

今回の日誌当番は矢野さんです。

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今日はこれまで読み進めていたNever Let Me Goの映画を観ました。

〈感想〉
映画では、キャシー・ルース・トミーの三角関係の恋模様が物語の中心として描かれていて、迷い悩む青春っぽさが表れていたように思います。ルーシー先生が生徒たちに彼らの決められた運命について話すあの衝撃的な場面が思っていたより早い段階で明かされるなど、先生がおっしゃっていたように、映画になると原作に比べて、とても展開が早く感じました。
でも、やはり、映像で見ると、あのように率直に自分たちの運命がはじめから決められていると言われてしまうのは、まだ幼い生徒たちにとって酷なことだろうなと改めて思います。キャシー達の三角関係は現実にも十分ありうる光景なのに、その三人の背景には、臓器提供のための自分たちの人生を受け入れているという重く深いものがあることを思い出すと、見ている側としては映画の途中で何度も切なくなり、ルーシー先生やマダムも見る側としてこんな思いを抱いていたのだろうかと考えさせられました。マダムと言えば、キャシーが「Never Let Me Go」のカセットテープを聞きながら踊る光景をマダムが見て涙する場面が重要視されていなかったのがあの場面はマダムに関するエピソードで大事な部分であるし、カセットテープも原作で表紙に描かれるぼど、物語において大切なアイテムだと思うので、個人的にちょっと残念でした。

映画を観て思うことは(まだ最後まで観終わってないですが)、この『Never Let Me Go』 は原作を読んで映画というよりは、映画を観終わったのちに、その余韻をもって原作を読むと、映画では理解しづらかったところがカズオ・イシグロの細かい描写で分かり、また面白いのではないかなと思いました。

来週は残りの映画の続きを観ることができますが、映画では最後どのように終わるのか気になり、ネット情報でフライングしちゃったところ、ルースの最後が原作以上に悲しすぎるということで、来週もとことん切なくなりそうです・・。

=====ここまで=====

マダムに関するエピソードが映画が薄い感じがして、私も残念に思います。映画を観て原作を読むか、原作を読んで映画を見るか、これは難しいですね。来週は続きを観てディスカッションに入りますが、矢野さんの言う通り、切なくなりそうですね…。