2017年1月18日後半のゼミ日誌

今回の日誌当番は横井くんです。

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1月18日のゼミブログの担当の横井翔馬です。今日はNLMGに関する発表の続きをしました。今回の発表は全体的に小説と実社会を絡めた発表が多く、小説のみに閉じこもってしまう僕にとって、色々と新鮮な視点が勉強になりました。

「ヘールシャムと実在した隔離施設の比較」三河陽菜
 キャシーたち提供者は幼少期にヘールシャムという施設で生活をしていましたが、ヘールシャムの描写が日本のハンセン病の施設と類似しているという発表でした。私はハンセン病について詳しくなく、三河さんの発表で具体的に施設の事を知りましたが、想像以上に類似している点が多く驚きました。
実社会においてハンセン病患者は、ハンセン病に対する無理解のせいで謂れのない差別を受けてきましたが、その様な彼らの境遇がキャシーたちに対する周囲の態度ととても重なり合っていました。作中でキャシーたちがマダムを驚かそうとする出来事があり、その際マダムはキャシーたちに対して過剰に恐れを抱く描写がありましたが、その様な描写も、実社会におけるハンセン病に代表されるような謂れのない差別を受ける人々への、所謂“一般人”と呼ばれるような人たちの対応を表しているのかと思いました。また、キャシーはヘールシャムやコテージを出てからも提供者ではない人と接する機会はあったとおもうのですが、キャシーの語りには提供者たち以外との交流は詳しく触れられていないため、施設で育ったということが、他の人たちと違うという意識により強く影響しているのかとも思いました。それは実社会における隔離施設から出た人たちと似たような思考とも思います。

後期の間だけでPPとNLMGを勉強するという内容の詰まったゼミでしたが、自らの文学に対するスキルアップに繋がったと実感できる講義でした。四回生のゼミでも熱意を失うことなく文学に接していけたらと思います。

===ここまで===

ヘールシャムとハンセン病の施設が似ているのは、私もびっくりしました。分かっているつもりで知らないことが多いのにもびっくりします。勉強になりました。

時間が経つ速度にもびっくりします。みなさんの大学生活もついに最終学年。これからもよろしくお願いします。