【第5期】2017年5月24日のゼミ日誌

今回の日誌当番は石田さんです。

===ここから===

今回は前田君と松浦さんのレジュメに沿って8章から9章の初めまで読み進めていきました。

8章はエリザベス、ビングリー姉妹、ダーシー氏、ビングリー氏の会話を通して、当時の女性の教養について、またどんな女性が好ましいとされていたのかが良く分かる場面でした。

ビングリー姉妹のエリザベスに対する嫌味と悪口が次々に出てきますが、そこから当時好ましくないとされていた女性像を読み取ることができます。
"It seems to me to show an abominable sort of conceited independence"
現代だと男性でも女性でも独立しているということは前向きで良い印象がありますが、当時は女性にとってマイナスのイメージだったということが印象的でした。

そしてビングリー姉妹はエリザベスは無礼で趣味も悪く美人でもないと散々に言いダーシー氏からも悪口を引き出そうとしますが、空振りに終わります。
"They were brightened by the exercise"
という台詞からダーシー氏のエリザベスに対する強い好意が現れていました。

またこの場面ではベネット家の身分が低い親戚たちの話題も出されています。
"...their uncle is an attorney in Meryton."
事務弁護士(attorney)は法廷弁護士(barrister)より立場が下であり軽く見られています。
"...They have another, who lives somewhere near Cheapside."
チープサイドは、商人たちが集まり住んでいる場所ということで馬鹿にされています。

8章の後半では、教養(accomplishment)に対するそれぞれのキャラクターの価値観の違いについて描かれています。
"...They all paint tables, cover screens and net purses."
ビングリー氏の教養に対するハードル(ペイントや編み物などの手仕事が出来ること)はかなり低め、というところが面白いと思いました。彼の寛容で優しい性格が現れています。
それに対し、ミスビングリーは音楽、歌、絵、ダンスの知識と複数言語の習得、さらに話し方や表現に素敵な雰囲気を持っていること、とかなりレベルの高いことを求めています。
"A woman must have a through knowledge of music, singing, drawing, dancing, and the modern languages..."
当時本当にこの要素を全て兼ね備えていた人はどれくらいいたのかな、と思いました。
それに加え、ダーシー氏は本を読むことも大事な教養の一つだとして取り上げ、さりげなくエリザベスを褒めている様子が伝わってきます。
"She must yet add something more substantial, in the improvement or her mind by extensive reading."
またビングリー姉妹がミスダーシーのピアノの才能を褒めており、ピアノも大切な教養だということが分かりました。

現代は家事をこなせたり料理が上手い、といったことが女性的で良いイメージがありますが、当時は音楽や絵など芸術的なことが重要視されていたことが印象的でした。

===ここまで===

女性の教養/たしなみについての議論、面白いですよね、ある程度上の階級での話ですけどね。