【第4期】2017年6月15日のゼミ日誌

今回の日誌当番は三河さんです。

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6月15日のゼミでは、34章、36章〜42章(41章を除く)まででした。

要約は
ハーバートとピップは借金を作り続け、お互いになんだか分からないうちに成人した。ピップは成人する日に後見人から何かしら言ってくると思い、ジャガーズ氏の事務所に行ったが有益な情報を得ることは出来なかった。また、ピップはジャガーズ氏から500ポンドを受け取ったので、それをハーバートのビジネスの頭金にしたいとウェミックに相談した。しかし、彼の意見はウォルワースでは違うかもしれないと匂わしたので、彼の家を訪ねることにした。日曜の午後にウォルワースに行き、初めてミス・スキフィンズに出会った。そして、ピップはウェミックに再び相談をし賛成を得ることができた。
また、サティス・ハウスでエステラとミス・ハヴィシャムの間で激しい言葉のやりとりがあった。その結果、ミス・ハヴィシャムはショックを受けて座り込んでしまった。一方、エステラにドラムルが乾杯を求め、また彼女が誰にでも好意を見せることでピップはみじめな気持ちになった。
ピップは23歳になった。ハーバートが留守の間、昔墓場で出会った囚人が家に訪ねてきてピップをお金持ちにしたのは自分だと明かした。そして、囚人を叔父としてかくまったが彼の行動全てから囚人の匂いがしみ出ていた。ハーバートが帰宅すると密告しないと誓いをたてさせた。また、囚人プロヴィスは自分のことについて話した。彼はコンピィソンというジェントルマン風の男と手を組み商売をしていたが、捕まってしまう。しかし、コンピィソンはジェントルマン風に見せることで刑を軽くした、という内容であった。プロヴィスの話が終わると、ハーバートはピップに、コンピィソンの相棒、アーサーはミス・ハヴィシャムの弟、コンピィソンはミス・ハヴィシャムに偽の求婚をした男であることを教えた。

34章では、I was not at all remorseful for having unwittingly set those other branches of he Pocket family to the poor arts they practiced ; because such littleness were their natural bent,and would have been evoked by anybody else ,if I had left them slumbering.(P272 L10)からハーバートのお金がどこから来ているのかということが不思議に思われます。ポケット家は貴族ではないのに特に一生懸命働いている様子がなくどこからお金が来ているのかは作品中では曖昧にされています。また、ジェントルマンは土地から収入を得るので基本的に働きません。ディケンズはしっかりした経済基盤をポケット家などが持っていないのにジェントルマンの生活をしている変な世界を表しているのではないかと考えられます。

また38章の゛But to be proud and hard me!゛(P305 L28)というミス・ハヴィシャムのエステラとの口論のときのセリフから、エステラが自分に対して薄情な態度をとったことでショックを受けていることが分かります。男に対してだけ、薄情になって欲しかったミス・ハヴィシャムはショックを受けますが、その理由として私はミス・ハヴィシャムはエステラをそのように育てることで自分は感謝されるべきだと考えていたからではないかと思いました。彼女のように誰を愛してしまったが故に傷つくより、愛されて傷つける方がエステラにとってより良いとミス・ハヴィシャムは考えおり、そのように育てた自分に対して薄情なエステラにショックを受けたのではないかと思いました。

※『大いなる遺産』の発表タイトルを6/22の12時までに、先生にメールまたは紙で提出してください。発表順はブログ記事で6/25か26に発表されます。

===ここまで===

ジェントルマンの条件とはいったい何か、考えさせられましたね。復讐の道具として育てられたエステラと、エステラに対するミス・ハヴィシャムの思いについても。