【第4期】2017年6月8日のゼミ日誌

今回の日誌当番は星加さんです。

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6月8日のゼミでは、『大いなる遺産』の28章から35章まで読み進めました。

以下があらすじです。
 ジョーの言葉の影響でピップは田舎へ駅馬車で帰ることになります。彼が利用した駅馬車には2人の囚人が乗っていて(当時は囚人を造船所に移送するため駅馬車が使われていた)、片方の囚人は「三人の陽気な船頭亭」で出会った男でした。ハーバートはピップのことをヘンデルと呼んでいたため囚人に気付かれずにすみました。村に戻ったピップはジョーの徒弟、オーリックがミス・ハヴィシャムの家の門番として働いていると知り、後に彼がその仕事に相応しくないことを後見人のジャガー氏に伝えます。ミス・ハヴィシャムとエステラと再会しますが、「あの子を愛しなさい」と繰り返し言われ、就寝する際自分に「彼女を愛している」と言い聞かせます。次の日村を見て回っているとトラブの小僧に嫌がらせされ、ピップは非常に腹を立てます。ロンドンに戻りハーバートと話していると、ウォプスル氏の『ハムレット』の演劇の日であることに気付き2人で観劇に出掛けます。劇の出来栄えはひどく、観客席からの野次が飛び交います。その日の晩、ピップは財産取得の話がおじゃんになる悪夢を見ます。その夢ではミス・ハヴィシャムが父親の幽霊役でした。
 ある日エステラから手紙が届き、明後日ロンドンに着くので迎えに来てほしいと頼まれます。馬車の駅で彼女を待ちますがウェミックと出会い、時間を潰すためニューゲイトへ同行します。ニューゲイトから戻る途中、ピップはエステラとニューゲイトを対比しながら物思いに耽ります。エステラの行き先はサリーの方にあるリッチモンドで、道中彼女が自分の気をひこうとしていることに気付きますがピップは少しも幸せを感じませんでした。
 姉であるジョー夫人が亡くなったことに気付いたピップはジョーにお悔やみと葬儀に出席する旨の手紙をだし帰省します。葬儀後ピップはビディーと話しますが彼女はよそよそしく、度々帰ってくるようにするというピップにその気持ちが本当か尋ねます。ピップは憤慨しますが、彼は戻ってこなくなる展開がほのめかされます。

ピップが財産を取得するという話になってから町民は彼をそれまでとは違う目で見るようになり、丁寧に扱いますが、トラブ氏のもとで働くトラブの小僧は例外でした。
“Don’t know yah, don’t know yah, pon my soul don’t know yah!”(p.246 l.14)とピップを否定します。以前私が担当した19章で登場した彼はいつも通りの態度でピップに接しようとしたところトラブ氏に怒られます。そのことについての仕返しをしているのかなと思いました。また、以前「エステラは手の届かないstarが名前の由来となっている」と矢次先生より説明がありましたが、彼の名前の由来はtroubleから来ているのかなとも思いました。
また、何故ハーバートがピップをヘンデルと呼ぶ必要があるのか疑問でしたが、その答えが28章で出てきました。今後物語の終盤に向けてこういった伏線回収が行われていくと思うのでしっかり分析していきたいです。

===ここまで===

ドラブル⇒トラブル…確かに。星加さんの言うように、これから終盤に向け、伏線回収、お忘れなく。