【第5期】2017年12月20日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、矢原さんです。

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今回は、ジェイン・エアについての発表2回目の授業でした。発表してくれたのは、村上さん、松浦さん、羽藤さんです。

最初は村上さんが、『ジェイン・エア』から見る結婚観について発表してくれました。主な登場人物、ジェイン、ロチェスター、セント=ジョンそれぞれの持つ結婚観についてわかりやすくまとめられていました。ジェインは、気持ちが通じ合い、愛し愛される関係を重要視する考え方でした。また、私が印象に残ったのが、そんなジェインとは反対に、お金や自分の女性としての品を上げるために結婚しようとしていた、ブランシュ・イングラムの結婚観です。なんともロチェスター自身を愛しているとは思えない "I am resolved my husband shall not be a rival, but a foil to me. I will suffer no competitor near the throne: I shall exact an undivided homage: his devotions shall not be shared between me and the shape he sees in his mirror." 訳:「あたくしの夫となる方は、あたくしと競い合うのではなく、引き立て役になっていただきませんとね。玉座のそばに競い手は近づけません。あたくしは一途な忠誠を求めます。その献身的な愛情は、あたくしと、鏡に映る彼との間で分かつものではありません。」というセリフが顕著に彼女の結婚に対する考えを表していて面白かったです。

次に発表してくれたのは、松浦さんです。『ジェイン・エア』から見る女性の幸せとジェインの幸せについて、女性だけに視点を向けまとめてくれました。その中で、ジェインは本当に幸せだったのかと考えたときに様々な困難を乗り越えたジェインは、過去を語っている現在には幸せになれたのだと思いました。また、当時の女性の一般的な幸せとジェインが願う幸せの違いについては、私が発表した「ガヴァネスについて」とも繋がるところが多く、ジェインの男女平等を唱える気持ちや強く生きたいという気持ちが改めて感じられました。
村上さんと松浦さんのテーマは少し似ているところもあったのですが、村上さんは男性と女性両方に視点を置いて発表してくれて、松浦さんは女性だけに視点を置いていたので、2人の発表両方を聞いて理解が深まることが多かったです。

そして、最後に発表してくれたのは羽藤さんです。『ジェイン・エア』における女性たち〜幽閉について〜という他のみんなとは少し違うテーマですごく面白かったです。小説内では、悪いようにしか書かれていないバーサについて、バーサ視点から書かれた『サルガッソーの広い海』を読んで紹介してくれました。幽閉された人々は、周りから変だと決めつけられ勝手に幽閉されて、誰とも話せず閉じ込められた中で狂気となっていくことがわかり、バーサを狂気にしてしまったのは、ロチェスター自身であったのではないかなと思いました。バーサのただ愛されたかっただけの気持ちを考えると、バーサとロチェスターへの見方が変わりました。私も『サルガッソーの広い海』を読んでみたいです。

今回発表してくれた3人は女性に関連するテーマだったように思います。当時のイギリスにおける女性としての幸せやあり方に異議を唱えたジェイン、そのジェインを作り上げた作者シャーロット・ブロンテの考えや、社会背景など自分の発表テーマとも重ねて考えることができる箇所が多いので、レポートにまとめることを通して理解を深めていきたいです。

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何度授業で扱ってもJEは、議論するポイントが多くて面白いです。『サルガッソーの広い海』もぜひ読んでみてくださいね。