【第5期】2017年12月13日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、村上さんです。

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今週と来週のゼミは『ジェイン・エア』についての発表です。

今週は前田君、石田さん、矢原さんの発表を聞きました。

前田君は『ジェイン・エア』から読み取る宗教観について、石田さんは『ジェイン・エア』と宗教についてというタイトルで発表をしました。

2人とも宗教をテーマに、自分の意見を交えながら作品の中に多く表れている宗教についての描写を指摘しながら発表をしてくれました。

前田君の発表では、ブロックルハーストとジェインの宗教観の違い、そしてセント=ジョンとジェインの宗教観の違いがメインでした。前田君が「セント=ジョンと出会うことでジェインが自分を取り戻したのだと思う」と述べていたのがとても印象に残りました。もし比較対象がいなかったら、ジェインは変わることが出来なかったのではないか?というのが前田君の意見でした。
石田さんの発表は宗教の時代背景の説明から始まり、作者シャーロット・ブロンテの宗教観、そして登場人物と宗教の関連性を述べていました。ロチェスターに求婚されるまでに神へ救いを求める描写がないことや、ジェインという名前に洗礼の暗示があるのではないか?というのが石田さんの意見でした。ジェインがロチェスターの元を離れて旅をすることが、救いを求めて行うキリスト教徒の巡礼の旅であるというのが印象的でした。

私自身、「宗教=複雑な事情が絡んだ難しいテーマ 」というイメージがあり、プレゼンを作るにあたってこのテーマは避けてしまったのですが、2人の発表を聞いて『ジェイン・エア』の登場人物が持っているそれぞれの宗教に対する考えがよく分かりました。

矢原さんは『ジェイン・エア』におけるガヴァネスの立場というタイトルで発表を行いました。

矢原さんは、ガヴァネスがおかれていた当時の境遇なども詳しく説明してくれました。当時のガヴァネスの中には、「教養を教えるにあたって何ポンド支払います」というガヴァネス募集の広告がされていたにも関わらず、いざ働いてみるとそれを下回る金額しか貰えなかったりした者もいたそうです。ジェインが雇われたのは比較的良い境遇でしたが、ちゃんとした給料を貰えないというのが、私の中では現代のブラック企業を連想させました。

来週は私と、松浦さん、羽藤さんの発表です。みんなのプレゼンはとても分かりやすくて素晴らしいものばかりなので既にとても緊張していますが、良い発表が出来るように頑張りたいと思います。

===ここまで===

宗教⇒難しい、と私も思うのですが、JEについて考えるのに避けて通れませんね。ガヴァネスの置かれた立場という社会背景についての知識も必要なもの。JEへの理解が深められたと思います。