【第6期】2018年9月26日のゼミ日誌

後期初回の日誌当番は、宇佐美さんです。

===ここから===

後期最初のゼミということで、少し楽しみにしていました。今回は、夏休みに読んだ『天使も踏むを恐れるところ』と、自分で選んだ本の感想を発表しました。

まず、『天使も踏むを恐れるところ』では、「読んでいて急な展開になることが多かった」という感想を何人か言っていて、私も確かにそうだなと共感しました。私がまず驚いたのが、リリアとジーノが既に結婚していた場面です。手紙では婚約したということが書かれていて、私はそれだけでも驚きました。しかもホテルで会った人と、ということに疑問まで抱いてしまいました。普通では考えられない状況で、ジーノという人に騙されていないか、本当に大丈夫なのかリリアのことが心配になりました。誰にも相談せずに結婚して、身内まで騙していたことには腹が立つくらい感情移入しました。
次に驚いた場面が、リリアが死んでしまったところです。子どもがいたが、別れを告げ長期で海外へ行き、自分なりに楽しんでいるところが好きでした。これからリリアはどうなるのだろうと楽しみに読み進めていくと、ジーノとの結婚を経てイタリアでの生活や出産を経験し、挙句の果てに死んでしまうという、私にとって気持ちのやり場がない場面でした。
最後に衝撃を受けたのが、ジーノから子どもを奪い返す場面で、やっと取り戻して帰ろうというところでその子どもが死んでしまったところです。その前で、ハリエットが赤ちゃんを盗んできたという発言、その行動にも驚きました。自分の子どもを盗まれて、それに気づいた時のジーノの気持ちはどうなのだろうと考えたら悲しくなりました。それに、最後の最後でアボット嬢がジーノのことを好きになってしまう事実には、一番驚かされました。
このE・M・フォースターの『天使も踏むを恐れるところ』には、最初から最後まで驚かされました。振り返ってみると、話の展開が急で気持ちが疲れてしまう小説だったなと思います。でも、授業中に矢次先生が言われていたように、この本で終わるのではなく別の作品も読んでみようと思います。

自分で選んで読んだ本の感想では、私が知らない本ばかりで特に面白そうだなと思ったのが、武田さんの『ハリネズミの願い』です。主人公が動物の話は読んだことがなくて、なんだかかわいいお話なのかなと思いました。私は本に対して感情移入しがちなので、みんなが紹介してくれた本どれも今回みたいに様々な感情が湧くと思います。それと同時に、考え方が広がると思うので少しでも興味を持った本は、どんどん読みたいと思います。後期のゼミも頑張りたいです。よろしくお願いします。

===ここまで===

久しぶりのような、そうでもないような不思議な感じの回でした。みなさんが夏休みに読んだ本のご感想、面白かったです。フォースター作品、図書館にもありますので、ぜひ手に取ってください。