2012年度前期ゼミ活動覚書その2

「覚書その1」からの続き


6)18〜19世紀のイギリスについて


…オースティンに限らずイギリス小説を読む上で必要な知識として、階級制度、階級の分類、階級(上流階級、中流階級、労働者階級)における教育、階級意識、経済状況、衛生状態、ファッション文化(上流社会の男性と女性に分けて)、舞踏会のそれぞれについてまとめたもの。パワーポイントを使用した発表も印象的でした。


7)イギリスにおける18世紀から現在の結婚


…まずは18世紀における結婚(親が決める「結婚」から自由な「結婚」へ、結婚の目的、協会結婚と民事結婚、ハードウィック婚姻法と鍛冶屋、離婚)について、『高慢と偏見』に書き込まれている結婚の様子にも言及しながらまとめた上で、1960年から現在に至るイギリスの結婚事情について、恋愛の在り方や階級を超えた結婚、離婚、事実婚について分析してくれました。


8)高慢と偏見』と『マンスフィールド・パーク』


…授業の中では取り上げなかった『マンスフィールド・パーク』のあらすじについて紹介した上で、各々の作品についてのオースティンのコメントを挙げ、ヒーローとヒロインの類似点や相違点、結婚に至る道程について分析し、各々の作品で描かれる愛のない結婚について、さらには、オースティン自身が結婚についてどのような考えを持っていたかについて検証してくれました。


9)高慢と偏見』のパロディー小説としての『高慢と偏見とゾンビ


…パロディーの定義について述べた上で、『高慢と偏見』がどのようにパロディー化されているかを「滑稽さ」という点から分析。主なポイントは、エリザベスの性格描写、設定が変更されることに伴う人物像の変化、著者の茶化し、シャーロットやミスター・コリンズの描写の変化、ビングリー終いの滑稽さ、花嫁衣装を着たゾンビ。


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ゼミ生13人で以上の9テーマ。楽しくレポートを読ませていただきました。2012年後期の発表&レポートも楽しみです。