2012年10月31日のゼミ日誌

今回の日誌当番は曽根さんです。


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第14章 伯母さんは決心する


主な登場人物:ミス・ベッツィ、マードストン姉弟、ディック


ポイント:伯母さんは義父(ミスター・マードストン)に手紙を書く。ディックの二階の部屋に行くと回想録を書いていて、チャールズ一世を使って比喩をしてくる。伯母さんから、ディックと暮らすことになった経緯を聞く。伯母さんとマードストン姉弟は過激な話し合いをし、伯母さんとディックでデイヴィッドの後見人になることが決まる。


第15章 新たな門出をする


主な登場人物:ミス・ベッツィ、ディック、ウィックフィールド、ユライア・ヒープ、アグネス


ポイント:ディックとデイヴィッドは大の仲良しになるも、デイヴィッドは伯母さんに言われカンタベリーの学校に行くことになる。ウィックフィールドの法律事務所に行くと不気味なユライア・ヒープが迎えてくれた。ウィックフィールドの下で下宿させてもらうことになる。アグネスという素敵な娘さんに会う。


第16章 いろいろな意味でぼくは新米


主な登場人物:ウィックフィールド、ドクター・ストロング、アニー、ジャック・モールドン、アグネス、ユライア、ミセス・マークラム


ポイント:学校生活が始まる。ストロング先生と、奥さんのアニーに会う。ウィックフィールドとストロング先生は奥さんのいとこ(モールドン)に適当なところを見つけるという話をする。デイヴィッドは低学年のクラスに入れられた。ウィックフィールドとアグネスには仲間として歓迎され、ユライアからは身の上話を聞く。モールドンのインド行きの歓送会と先生の誕生日パーティが開かれ、モールドンを送ったが、アニーは失神してしまう。アグネスのハンドバッグを取りに帰ると、奥さんの様子がおかしかった。


第17章 巡り合わせ


主な登場人物:ペゴティー、ディック、ドクター・ストロング、ユライア、ミセス・ヒープ、ミコーバー夫妻


ポイント:ディックはデイヴィッドに会いに来て、ミス・ベッツィがある男に脅かされていると言った。ディックはストロング先生とも仲良くなった。ユライアに誘われ家に行くと、ユライアと母親に身の上を聞かれたので話した。そこにミスター・ミコーバーが通りかかり再会をする。ユライアとミコーバーは仲良くなる。しかし、金がなくなったミコーバーは再び牢獄に入る。


<感想>
今回の章では、知的障害者のディックやデイヴィッドの見る夢などを通して、ディケンズ自身の精神科学への関心の高さがうかがえました。精神病院に見学に通っていたのも、まじめに研究するためと興味本位であったことなど、二面性があって興味深かったです。また、娘を溺愛するウィックフィールド、父親の期待に答えるアグネス、不気味なユライア親子、不釣り合いなストロング夫妻などが登場し、益々おもしろくなってきました。デイヴィッドは孤児ですので、夫婦や親子の関係が何であるかよく分かりません。このことが、後の人生に大きく影響している気がします。子どもの頃の成育環境はとても重要であると、改めて感じました。デイヴィッド・コパフィールドには沢山の夫婦や親子が出てきますので、比較しながら読みたいと思います。


=====ここまで=====


ディケンズ知的障害者への関心は複雑で、いろいろな方向から考察する必要がありますね。『デイヴィッド・コパフィールド』における親子関係、夫婦関係は、デイヴィッドの場合も含めて興味深いですね。現在の親子関係や夫婦関係とも少し違うところがあるでしょうし、よくよく吟味する必要がありますね。