2012年11月14日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、野村さんです。


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映画『デビッド・コパーフィールド』:前回の続きから、駆け落ちしたエミリーを探しに出ていたミスター・ペゴティと、デイヴィッドが再会するとこまで。


<映画では削られている部分>


・デイヴィッドが昔の我が家を訪れるシーン
・ミス・モウチャー
・ミス・ミルズ
・昔の夫である男とロンドンで再会するシーン


ミス・モウチャーの容姿や行動はとても特徴的で面白かったため、彼女の出てくる場面を楽しみにしていたのだが、映画の中では登場シーンが省略されていて残念だった。また、ミス・ベッツィが昔の夫である男から執拗にお金をせびられる場面は、彼女がまだ過去にとらわれている様子を表した重要な場面だと思っていたので、省略されていたのが意外だった。


<原作と映画で違う部分>


・ドーラへの手紙が発覚するシーンではミス・マードストンではなくミスター・スペンロウ自身が手紙を見つけていた。原作では手紙が見つかった時、その場にはミス・マードストンがいて、彼女によって二人の仲が暴かれてしまったのだが、映画ではミスター・スペンロウが手紙を見つけデイヴィッドへと返した。ミス・マードストンが何故この場面に出てくるのか不思議だったため、いないほうがわかりやすいと思った。


<感想>


・デイヴィッドから「実の妹のようだ」と言われたり、ドーラのことを相談されたりする場面で、アグネスの少し悲しい表情が彼女の心情を表していてより可哀そうだなと思いました。
・リティマーはもっと怖いイメージだったので、映画の中で優しそうなおじさんが演じていたのが意外でした。
・原作ではローザの言動は理解できない部分が多かったのですが、彼女がハープを弾いている場面でスティアフォースが「これで二人の愛も深まるね」と言うのを見て、その発言がとても軽く感じ、彼女が思わず彼をひっぱたいてしまうのもわからなくないなと思いました。


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ミス・モウチャーはとても興味深い人物ですよね。出番は少ないですが、どうしてディケンズは彼女のような人物をスティアフォースと(分量は少ないけど)関わらせたのかなあ、と。ローザは感情移入しにくいし、解りにくい人物ですが、彼女もスティアフォースとの絡みで気になる人物です。リティマーはもっと冷徹そうな人の方がイメージかもしれませんね。