2012年11月28日のゼミ日誌

今日の日誌当番は藤澤さんです。


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(前半)
映画『デイヴィッド・コパフィールド』:デイヴィッドがアグネスと結婚し、ミス・ベッツィが女の子の名付け親になるまで。


<原作と映画で違う部分>
・アグネスに告白する場面で、デイヴィッド自らが今までの想いを告白するところが、彼女の言葉がきっかけであっという間に相思相愛になっていた。原作では、デイヴィッドが切々とアグネスへの想いを訴えていたので、映画の二人に少し拍子抜けしてしまった。


<感想>
 今回で映画を観終えました。原作との相違点や省かれた部分もありましたが、大長編小説を映画という限られた時間で上手にまとめていたと思います。しかし、最後のデイヴィッドは、とんとん拍子でハッピーエンドへまっしぐら、というように描かれていたので先生がおっしゃっていた通り、ちょっと都合が良すぎるのではと感じました。


(後半)
先生による『デイヴィッド・コパフィールド』のローザ・ダートルについての解説
[1] ローザ・ダートルはどのような人物か
・companionの解釈
・口元の傷跡がもつセクシュアルな面
[2] デイヴィッドとの関わりについて
・思春期のデイヴィッドが感じる女性への興味
・デイヴィッドに対するフロイト的考察


<感想>
 ローザの口元の傷跡は、スティアフォースの残酷な一面を表しているだけでなく、彼との関係までを意味する重要な特徴であることを再確認できました。彼女は、気性が激しく辛辣な女性なので、美しさはあまり強調されていません。しかし、初対面の時、思春期だったデイヴィッドにすれば、ローザがセクシュアルな興味を感じた初めての女性だということに気づき、興味深く思いました。


=====ここまで=====


BBCの『デイヴィッド・コパフィールド』は物足りないところがあるし、「え、こんなにあっさり事が進むの?」と思うところもあるけれども、藤澤さんの言う通り、全体としては面白いですね。


ディケンズはブラウン夫人という辛辣な女性をモデルにしてローザを描いたという説もありますが、彼女はかなり特異な存在ですよね。興味深いです。