2013年1月23日のゼミ日誌

今回の日誌当番は敷島さんです。


=====ここから=====


今回の授業も引き続きデイヴィッド・コパフィールドに関する発表をしました。


〈今回の発表者とその内容〉
・井上さん
『デイヴィッド・コパフィールド』における債務者監獄と救貧院について
・山下さん
債務者監獄について
・柿本さん
ディケンズと日本の作家たちについて


〈感想〉
井上さんの発表では、債務者監獄と救貧院についての詳しい情報がよく分かりました。債務者監獄には借金返済ができずに逮捕された本人だけでなく、その家族も収容されるということを聞いて驚きました。また、監獄内の設備はわりと充実していたと知って意外に思いました。旧救貧法で貧民たちの依存度が高まったために働ける人は働くように言われ、本当に困っている人に最低限の援助しかしない、と方針を変えた新救貧法は確かに現代の生活保護支給額の引き下げをするかどうかという問題にも当てはまっているなと感心しました。


山下さんの発表を聞いて、マーシャルシー監獄に収容されていた債務者が1729年には3ヶ月以内に300人が亡くなり、8〜9人が24時間おきに亡くなっていたということを知りました。また、衛生も悪く看守による虐待もあったことにより死ぬ者もいたということから監獄は大変悲惨な状況にあったということが分かりました。しかし後に社会改革者の働きかけで、債務者監獄が廃止されたことを知って現状を変えようと行動する改革者たちはいつの時代にも必要だなと思いました。


柿本さんの発表では、ディケンズに影響された日本の作家たちについてよく分かりました。ディケンズ作品の教訓的な部分に魅力を感じたことから、日本の作家が立身出世のロマンを描いた自伝的小説を書いたり、ディケンズ作品の登場人物に似た主人公が登場する作品を書いたりなどとした点に、ディケンズの影響力がうかがえました。他にもどのような作家がディケンズに影響されたのかということについて調べてみるのも良いなと思います。


=====ここまで=====


今回も面白い発表ばかりで勉強になりましたし、特に「ディケンズと日本の作家たちについて」はもっと本を読まなければという気持ちにさせられました。そうやって読みたい本がどんどん増えていくわけですが、4回生になってからも興味深い発表を期待しています。