2013年4月26日のゼミ日誌(第1期)

今回の日誌当番は野村さんです。


=====ここから=====


今日は前回に引き続きA Room with a Viewを読みました。4回生になり就職活動で忙しい時期と言うことで読むペースはゆっくりですが、その分作中の分かり辛い表現や文法について細かく触れながら読み進めました。


<感想>
今回読んだA Room with a Viewの4ページから6ページで、ルーシーとシャーロットが自分達とは身分の違うエマソンとジョージの親子と予期せず関わることになる場面が出てくるように、E.M.フォースターが自身の作品に「社会や文化、階級を越えた人と人のつながり」を共通のテーマとして持っているということ、またHowards Endで"only connect"--「結びつけさえすれば」--と直接的にそのことを示していると知って、彼の他の作品にも興味がわき、是非読んで確かめてみたいと思いました。


20世紀の文学には"stream of consciousness"--「意識の流れ」--という表現方法が流行ったとことがたぶん影響して、文中にもシャーロットやエマソンの発言または心の声が語り手の口調で述べられていて、最初読んだ時には少しわかりづらいと部分だと感じました。今回「意識の流れ」について学んだので、今後読み進める際にはそのことを頭に置いて読んでいきたいと思います。


登場人物に関しては、エマソン氏の強引さに驚きました。相手が断っているのしつこく部屋を譲ろうとせまるのは、たとえ現代であっても相手は引いてしまうと思います。しかし子供のように感情をあらわにする彼の態度は、中産階級の人々のきどった様子よりは面白味があると感じました。また女性に慣れていないジョージのぎこちない様子も何だか可愛く、この親子は嫌いになれないなと思いました。


=====ここまで=====


授業では各人物の特徴が何となく表れたあたりまでしか読んでいないですが、それでも、人物に親しみがわいてきた、というところでしょうか。人物たちの心のひだをこれからも読み取っていきましょう。