2013年5月1日のゼミ日誌(第2期)

今回の日誌当番は加藤さんです。


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今日は三回目ということで、前回までより落ち着いた雰囲気で授業が進み、『高慢と偏見』の冒頭「ベネット夫妻の会話」の英文読解をしました。ベネット夫人が近所に若いお金持ちの独身男性(ビングリー氏)が引っ越してくることを知り、娘との結婚のために夫を挨拶に行かせようと説得するシーンです。


まず役を分担して本文を音読しました。私は「ベネット夫人」にあたり、表現が難しく戸惑いました。ベネット夫人は反応が薄い夫のベネット氏に対して、「あなた、私の話聞いているの?!」と注意をひくような話し方をしていると感じました。しきりに“My dear Mr. Bennet”と夫の名前を呼んだり、夫の発言に対し“But”や“Why”といった否定的な言葉で返すところが多く見られました。これらからベネット夫人は耳障りな程に抑揚を付けて、相手に言葉をぶつけるように話すイメージがあり、今の日本で例えるなら「大阪のおしゃべりなおばちゃん」に近いと感じました。ベネット夫人らしさを出しつつ音読するには、英語力と表現力をのばす努力が必要だと痛感しました。


ベネット氏は妻との会話で何かとエリザベスの名前を口にしていて、ひいきしていると感じました。それがよく表れていたのが、3ページ22行目の“I must throw in a good word for my little Lizzy”でした。この一言でベネット氏は「娘の中で一番ビングリー氏と結婚させたいのは、リジー(=エリザベス)だ」と妻にはっきりと伝えていました。また自分がビングリー氏に挨拶に行ったという良い知らせも、一番に伝えた相手はエリザベスでした。これらからベネット氏は娘の結婚を望んでいることもよくわかりました。しかも一番ひいきしているエリザベスにそれを一番望んでいて、私は少し違和感がありました。私は「父親というものは娘を手放したくないもの」というイメージがあるのですが、ベネット氏は大切な娘を嫁に出すことをしぶらない様子なので意外でした。これは現在と作品の時代との結婚観の違いの影響もあると思うので、その点についてもこれから学んでいきたいと思いました。


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可愛い娘を嫁に出したくない!という親心についてはあまり考えたことがなかったです。身分の低くて財産のない男にうちの娘はやれんっ、ていうのはあるかもしれないけど、そういうのと「可愛い娘を嫁に出したくない!」はちょっと違いますよね。私がちょっと思っていたのは、エリザベスとビングリー氏はそもそも性格的に合わないだろうってことなんですが、ベネット氏はそういった相性については考えなかったのでしょうね。