2013年5月9日のゼミ日誌(第1期)

今回の日誌当番は藤澤さんです。


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前回に引き続きA Room with a Viewを読み進めました。今回から2章に入り、いよいよルーシーが街へ繰り出し、ガイドブックなしでフィレンツェ観光を行います。ルーシーの外出をめぐってシャーロットと口論するシーンのようにフォースターの英文は、訳しづらい時がありますが、先生の解説や板書で訳を確認して理解を深めています。


<感想>
今回は、A Room with a Viewの15ページから18ページの頭まで進みました。2章の冒頭は、ルーシーがフィレンツェの朝の様子を観察する場面から始まります。ルーシーを通して、フィレンツェの生活や賑やかさが伝わる良い場面でしたが、シャーロットに「ここでの最高の時間を無駄にしている」と邪魔をされてしまいます。このことから、有名な絵画や建築物を鑑賞するより、その場の些細な一場面に価値があることを分かっていないシャーロットへの皮肉が込められていると感じました。同時に、シャーロットとルーシー(世代間)の文化的価値観の違いが浮き彫りになっていると思います。


私がこの作品で好きな人物の一人が、ルーシーのフィレンツェ案内をするミス・ラビッシュです。もっともなことを言いつつ、ホント?と疑いたくなるようなことも言う程よいいい加減さが、彼女を好きな理由です。ミス・ラビッシュは、イタリア人に対して理解があり対等に接している割には、17ページの下から4行目のように "you(Lucy) will never repent of a little civility to your inferiors." と彼らをバカにした発言をする偽善的な部分を持つ女性です。しかし、シャーロットが言えばカチンとくるこの言葉も、ミス・ラビッシュが言うとあまり重くならないところが彼女の魅力の一つだと思います。


今回は、まだルーシーの心境の変化は起こっていませんでしたが、今後、場所の移動と共に彼女の感情や考えが変化していきます。それが、だれの言葉や行動によって引き起こされたかに着目して、次回も読み進めていきたいです。


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ミス・ラビッシュ、お騒がせキャラですが、憎めないところがありますね。ミス・ラビッシュと友達になるのであれば、彼女と同じように考え振る舞える人でありたい、というか、ミス・ラビッシュみたいな人になってみたいものです。楽しそう。