2013年6月6日のゼミ日誌(第1期)

今回の日誌当番は柿本さんです。


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六章の冒頭では、馭者をギリシャ神話に登場するパエトーン、その恋人をぺルセポネに例えている。これは、単に「馭者」「恋人」と表記するよりも二人の見た目や行動をギリシャ神話になぞらえて暗に示し、読者の想像を掻き立てているのだと思う。


ルーシーとジョージは、殺人事件に遭遇したことからなる二人だけの世界を持っていた。ジョージはこれをネタにルーシーに話しかけはせず、silenceで何かを伝えていた。男女の二人だけの秘密はとても親密な関係があるように思われる。しかし、ルーシーはシンパシーを互いに感じることに危機感を感じていた。


“During this speech the two figures on the box were sporting with each other disgracefully. Lucy had a spasm of envy.” 馭者とその恋人がいちゃいちゃしているのを見て、ルーシーは羨ましいと思った。シャーロットという、昔ながらの考え方をする女性に縛られていることで、ルーシーは品行方正な行いを義務づけられている。周囲のルーシー像もあることから、自分のしたいことをせずに我慢する姿がここでは印象的だった。


<感想>
ルーシーはジョージに関して興味はあるが、それに気づかないふりをしている。ちょっとおかしなエマースンさんの息子であるし、なによりもジョージ自身の考えていることが分からないからだ。六章の最後でジョージがしたことは、ルーシーにとってますますジョージに対する興味が増す出来事だったと思う。突然キスされたら誰しも意識せずにはいられないと思う。シャーロットはいつも邪魔ばかりしてくる気がする。付添人としての意識が高すぎて、ルーシーの行動を制限しすぎる。もっと頭の柔らかい女性だったならば、ルーシーはもっとイタリア旅行を楽しめたのではないだろうか。


=====ここまで=====


シャーロットはどうしてここまで頭が固いのでしょうねえ。ルーシーの立場で読むとイライラしますね。ただ、シャーロットの立場で読んでみたらどうでしょう?