2013年6月5日のゼミ日誌(第2期)

今回の日誌当番は浪本さんです。


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今回の授業はP18の9行目のエリザベスの性格を表す文章から始まり、ハースト夫人やミス・ビングリーの性格、行動の描写を中心に読み取っていきました。


文章中に出てくる単語がもつ様々な意味に重きを置いてまとめていきたいと思います。

P18の18行目のrespectは「尊敬」という意味だけでなく、in every respect〜「あらゆる点において〜するにふさわしい」というように「点」という意味として使用されることもあります。そしてP18の24行目に出てくるrespectableは後期で扱う“David Copperfield”のキーワードでもあります。「見た目において尊敬できる」ということは「見られて恥ずかしくない」、要するに「外面が良い」という意味を持つことになります。このことはオースティンの時代よりもマナーや道徳について厳しい時代であるヴィクトリア朝的な価値観が反映されています。


P18の19行目に出てくるseminaryはお嬢さまが上流階級のマナーを身につける学校のことです。ベネット姉妹は通っていなかったのですが、ハースト夫人やミス・ビングリーはロンドンにあるseminaryに通っており、身分の高い人たちとの交流を深めていました。


P19の1行目trade=商売、という単語もかつてはあまり良い印象を持たなかったということに驚きました。当時は、働かなくても不動産収入がある事が上品であるという定義があります。その定義があるがゆえにtradeをする者は、卑しく成り上がり者という意味を持ってしまうことになってしまうからです。上流階級も上には上がいて、ハースト夫人やミス・ビングリーもseminary時代から努力をして自分たちの地位を築いているのではないのかなと思いました。二人の新たな一面を感じ取ることができたと思います。


そしてこのことをふまえると、P19の12行目からハースト夫人やミス・ビングリービングリー氏にNetherfieldを所有してほしいと強く望んでいることもよく伝わってきました。


Netherfieldを借りているのでお金持ちであることは確かですが、あくまでも借りているという点では由緒正しい家系ではないからです。自分のものにすることでワンランクアップし、子孫はそこに永住できる、ということになります。二人がNetherfieldを所有するチャンスが来たのだから、と必死になっている気持ちも少しわかるような気がしました。


そして授業の始めのP18の9行目に戻りますが、Elizabeth listened in silence, but was not convinced; their behaviour at the assembly had not been calculated to please in general; and with more quickness of observation and less pliancy of temper than her sister, and with a judgment too unassailed by any attention to herself, she was very little disposed to approve them.
というようにエリザベスはビングリー姉妹のことを評価できないと思っています。ビングリー姉妹の自分に得がある人たちに上手く取り入るという性格をすでに見抜いていて、それでもって評価できないといった点はさすがだなぁと納得させられました。


予習で自分なりに物語を読み進めているときには、一般的に使用されている意味と異なる場合の単語があるということを見逃していました。単語から当時の価値観を読み取ることができることは面白いなと思います。今後も一つ一つの単語に注目していきたいです。


次回からはオースティン関連の発表が始まります。様々なテーマの発表をしっかりと聞くことによって、自分の考えを深めていきたいと思っています。


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エリザベスの観察眼は素晴らしいですね。こういう目で観察されたらちょっと怖いかなあとも思いますが。