2013年5月16日のゼミ日誌(第1期)

今回の日誌当番は山下さんです。


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今回はA Room with a View 18 ページから24ページまでを読みました。ミス・ラビッシュに置いてけぼりにされたルーシーは一人で教会の中をみてまわることに決めますが、ここでは少し美術に関することが出てくるので少し読みにくかったです。先生にいくつかジオットのフレスコ画やサンタ クローチェの画像を見せていただきました。ルネサンス前と後では絵に描かれている人間の感じが全然違いました。それらの画像を参考にしながら物語の内容の理解を深めています。<感想>
 18ページでは、ミス・ラビッシュとの会話でルーシーの階級意識が表れています。2人の政治の話からルーシーは保守的な人間だと思われたくない一方で、労働者階級が住むような工業地帯に住んでいると思われたくない、という中産階級的な保守性が出ています。何気ない会話でルーシーは気づいていませんが、やはりルーシーは中産階級者の意識が根付いていることが分かる場面です。


 20ページからは、ルーシーは一人で教会の中に入り絵を見て回ろうとしますがベデカーをミス・ラビッシュに取り上げられてしまった彼女はどれが価値ある作品なのか分からず、かと言って価値の無い作品に感嘆するようなことしたくありませんでした。しかし、やがて細かい情報を得ることなく目の前のものの魅力を楽しむことを始めました。そんな時エマースン親子と出会い、父親の無礼な発言に腹を立てたものの結局は彼らと一緒に教会を回ることをルーシーは決めます。


 私が一番気になった所は、エマースン氏の”I think that you are repeating what you have heard older people say. You are repeating to be touchy; but you are not really. Stop being so tiresome, and tell me instead what part of the church you want to see. To take you to it will be a real pleasure” です。 これに対して、ルーシーはひどく失礼な発言だと思って態度には出さないものの、凄く腹を立てます。確かに育ちの悪いことがうかがえるエマースン氏が、階級的に上のルーシーに上のような発言をすることは無礼なことかもしれません。しかし、私はこの発言はルーシーの機嫌をそんなに悪くさせるような発言なのかな?と思いました。時に人々の癇に障るような発言をしてしまいますが、思っていることと言っていることが同じで階級なんか気にせず相手にとって良かれと思って行動するエマースン氏は私の好きな登場人物の一人です。


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ルーシーがむっとしたのは、彼女自身、そういう自覚があったからかもしれませんね。ルーシーに限らず、エマースン氏の言葉にむっとする中産階級の人たちって何なのかという視点から考えてみるといいかもしれません。