2013年6月19日のゼミ日誌(第2期)

今回の日誌当番は矢野さんです。


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今日は発表2日目ということで、菅野さん・藤本さんグループ、森下さん、長坂さん、浪本さんによる発表でした。


最初の菅野さん・藤本さんによる発表テーマは「イギリスについて」ということで、イギリスの特徴ともいえる階級制度について、“ジェントルマン”という言葉がさす意味、屋敷で働く使用人たちについての内容でした。イギリスの階級は大きく分けると3つですが、それらはさらに細かく分けることができ、最終的には6つの階級があるそうで、こんなに階級が分類されていると、イギリスの人々の生活には常にこの階級が意識され、生きづらくないのだろうかと改めて感じました。女性・男性の使用人の仕事の分類についての部分においてもハウスキーパーやバトラーなど最高地位の職は中流階級の人が就き、それ以外は労働者階級の人が就く職種というのがあるなど、階級について考えさせられる発表でした。


2番目の森下さんの発表テーマは「オースティンの時代の結婚観について―『高慢と偏見』『説得』」でした。オースティン時代の結婚観や、『高慢と偏見』に描かれている現実的な結婚と理想的な結婚、そして理想的な結婚について描かれた『説得』というオースティンの別の作品についてまとめられていました。オースティンの時代は「女性は結婚するのが当たり前で、働くことははしたない」「女性には投票権や財産所有権がない」など、女性が生活していくには、本当に大変な時代だったのだなと改めて思うと同時に、今の私たち女性は(未だ男女の不平等さが残っている部分もあるものの)いい社会で過ごせていることは幸せなことなのかなと思いました。『説得』は機会があったらいつか読んでみたいと思いました。また、最後のコメントで大井さんの「理想的な結婚のほうが教養のある男性と結婚でき、将来の子供のことを考えるとこっちのほうがいいのではないか」という意見は、個人的になるほど、と思いました。


3番目の長坂さんの発表は「『高慢と偏見』の時代に求められていた当時の男性、女性“らしさ”」というテーマで、『高慢と偏見』のそれぞれの登場人物を分析し、男性のあり方・女性のあり方について詳しくまとめ、言及されていました。『高慢と偏見』の登場人物は、みんな個性的な人たちばかりで、各人からいろいろな女性・男性の“らしさ”を読み取れることがわかり、とてもおもしろい発表でした。また、参考文献による引用と言っていた「『田舎の舞踏会』くらい『階級』が目立つ場はない」という言葉がとても印象に残り、『高慢と偏見』の舞踏会シーンでも当てはまる部分があるなと思いました。


4番目の浪本さんの発表は「オースティン作品が愛される理由」というテーマで、なぜオースティンの作品がこれほどまでに愛され人気なのかという理由についての様々な考察や、現代におけるオースティン作品(パロティや続編など)についてまとめられていました。私も『高慢と偏見』を含めたオースティン作品がどんな理由で愛され続けているのか気になる部分だったので、このテーマはとてもおもしろかったです。時間の都合上、いくつかの箇所が省略されてしまったのが残念でした。


今日の発表もどれもとても興味深いものばかりで、聞いていてすごく楽しく、なるほどなぁと思わされることが多くあった90分でした。来週もがんばりましょう!


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浪本さんの発表時間が足りなかったのは、私の仕切りが悪いですね(ごめんなさい)。私自身、もっと聞きたかった。次のゼミのときに少し時間を取れるのではないかと思うので、そのときに。浪本さん以外の人も付け加えをしたいはずなので、7月になってそうしてもらいましょう。