10月2日のゼミ日誌(第2期)

今回の担当は加藤さんです。

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今日は『デイヴィット・コパフィールド』についての2回目のゼミでした。前期と同じように、本文を音読し、解説を聞きながら読み進めていきました。

教科書の英文は冒頭の「I WAS BORN」が省かれているので、講義では第一章の「I AM BORN」から始めました。Iは主人公のデイヴィットを指し、物語は一人称で、主人公のデイヴィット目線です。「I AM BORN」では、デイヴィットが知るはずのない、自身の生まれる前の話を過去形で語っていました。

第一章はベッツィ・トロッドウッド、クレアラ・コパフィールド、クレアラ・ペゴティ、この三人の女性が主に登場していました。

まず、物語が始まるとすぐにベッツィが登場しました。彼女はデイヴィットの父方の大叔母で、過去に結婚に失敗したことがあると紹介されています。物語にはこのあと彼女のように「恋愛・結婚に失敗する人」が沢山登場します。本文7ページで彼女はデイヴィットの母に対して、「生まれる子は女の子だ」と予言、「その子のgod motherになる」と宣言しました。god motherとは、名付け親という意味だけでなく、その人の人生がうまくいくよう手助けする役割という意味もあると学びました。実際に生まれた子供(デイヴィット)は男だったので、予言ははずれましたが、後に宣言通り、彼女はデイヴィットの人生を援助しました。11ページで、ベッツィは「fairy」に例えられていて、これはおとぎ話に出てくる妖精に「予言する役割」があるためだと学びました。

次に登場したのはデイヴィットの母のクレアラと、召使のペゴティでした。クレアラはまだまだ若く美しいけれど、母として未熟な様子が見られました。4ページではベッツィが初めて彼女の姿を見て「You are a very Baby!」と驚いています。ペゴティにはクレアラのような美しさはないけれど、デイヴィットのことを母のように守る様子が見られました。

この二人のフルネームは、クレアラ・コパフィールド、クレアラ・ペゴティと、どちらも同じ「クレアラ」です。これは二人がどちらもデイヴィットの母の役割をしていることから、作者が意図的にしたことのようです。どちらも別の意味で「理想的な母」と言えそうですが、対照的な印象を受けました。

デイヴィットの義父になるマードストンが登場するところで、今日の講義は終わりました。

感 想
前期が始まる前に提出した「作品の中で一番興味がある登場人物について」のレポートで、私が選んだのはベッツィでした。最初作品を読んだとき、今日学んだ第一章では、気難しい叔母さんに描かれていてあまり良い印象を持っていませんでした。でも後の章では優しい部分が沢山描かれていて、そのギャップでなおさら好きになりました。クレアラとペゴティが「母」として対比されるという話のときに、二人が一人になったらいいのにという意見がありましたが、私はベッツィも加えた三人だともっといいなあと思いました。

『デイヴィット・コパフィールド』は一文が非常に長くて、音読も読解も難しいので、毎週予習をしっかりして講義に挑もうと思います。

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名前が同じなのはデイヴィッドの母親とペゴティーですが、ベッツィーさんも母親的な役割をしていますよね。3人も母親がいてデイヴィッドは幸せですね。