9月24日のゼミ日誌(第2期)

今回の日誌当番は森下さんです。

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夏休みもあっという間に終わって後期が始まりましたぁ。後期は、ディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』を読み進めていきます。

最初の授業では、前期に読んだ『高慢と偏見』との比較をしたり、作品の特徴について学んだりしました。『デイヴィッド・コパフィールド』と『高慢と偏見』の違いは次のようなことが挙げられました。結婚観の描き方、ヒロイン像、語り手が『高慢と偏見』は3人称であるが、『デイヴィッド・コパフィールド』は1人称である、などです。作品の特徴として、ディケンズ自身のことが作品にも影響しています。例えば、亡くなったディケンズの義妹メアリーをヒロイン像に反映したり、小説家として成功を収めたことを主人公のデイヴィッドに照らし合わせたりしていることです。

『デイヴィッド・コパフィールド』の書かれた時代はヴィクトリア朝前期です。この時代は階級が比較的流動性を帯びてきた時代で、階級社会の中で出世は難しいのではないかと言われていました。その中で、主人公デイヴィッドは“Self-mademan”として自分でのしあがっていくのです。また、ヴィクトリア朝時代のジェントルマンの定義は何なのか。ジェントルマンとは、紳士的な人というイメージがあったのですが、働かなくていい人、つまり、資産や不動産収入がある人です。相続は長男しかできないため、次男以下は、聖職者や軍人といった、ジェントルマン的職業についたのでした。

次回から作品を読み進めていきます。それぞれの人物像や心情、人間関係に目を向けて読んでいきたいですね。

お土産くれた方々、ありがとうございました。美味しくいただきました(^^)

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『デイヴィッド・コパフィールド』は夏休みに一通り読んで、気になる人物についてレポートを書いていただいていたので、この日は、どのような点が気になったのかを上げていただきました。付け加えをするならば、ユライア・ヒープとデイヴィッドの関係など、興味深い意見が出されましたね。その辺を思い出しながら、これからも読んでいきましょう。