11月27日のゼミ日誌(第2期)

今回の日誌当番は森下さんです。

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今日から後期での発表が始まりました。1回目の発表者は、内藤さんと矢野さんです。

内藤さんは、「デイヴィッド、スティアフォース、ユライアの関係性について」ということで、母親との関係、愛憎、ライバル意識、憎悪に視点をおいて3人の人物を比較し、それぞれの関係性をよくまとめていました。母親に甘やかされて道を踏み外してしまったスティアフォースと、ちょっと人としておかしくて気持ち悪いユライアという、デイヴィッドとは正反対の人物が登場するからこそ、デイヴィッドが引き立ち、彼の内なるものがあらわになっているのだと思いました。スティアフォースやユライアのような人並み外れた脇役的人物が、主人公のデイヴィッドを際立たせる効果的な役割をしているということです。

矢野さんは、「『デイヴィッド・コパフィールド』における母親像」ということで、『デイヴィッド・コパフィールド』に登場する3人の母親的女性の特徴や3人の母親的女性の関係、母親の定義について言及していました。 母親としてあるべき素質が5つ挙げられていましたが、母親のあり方は人それぞれで様々な形があり、母親はこうでなければならないなどとは一概に言えないのになぁと思いました。発表を聞いて、ゼミ生から様々な意見や疑問が投げかけられました。デイヴィッドの母親と乳母のペゴティーを合わせると一人前の母親ではないかと述べられているが、母親には優しさだけではなく、厳しさも必要なのではないか。なぜ3人もの母親的女性が必要なのか。

また、内藤さんと矢野さんの発表に共通して、デイヴィッドとスティアフォースとユライアは片親という育った環境は同じはずなのに、なぜあんなにも、性質も歩んだ人生も違うのか、という疑問も投げかけられました。

2人の発表は、興味深く、内容がどんどん掘り下げられていく良い発表でした。

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どちらの発表も、さらに掘り下げることができそうですね。三人の男性人物と母親の関係にしても、矢野さんが挙げた以外の母親についても。次回以降の発表も楽しみですね。