1月22日のゼミ日誌(第1期)

今回は不規則的に水曜日にゼミを行いました。日誌当番は梅木さんです。

=====ここから=====

今回は第二回目の卒業研究の発表で、次の三組の発表がありました。

①「ジェイン・エア」における主人公の人生選択について 野村愛美さん
場所の移動にともなって主人公ジェインが人生の選択をするということに着目してゲイツ・ヘッド、ローウッド、ソーンフィールド、ムア・ハウス、ファーン・ディーンの五つの場所を挙げてジェインの人生がどのようなものだったのかを発表されました。

②『ジェイン・エア』における結婚とジェンダーからみたヒロインの幸せ 藤澤暁美さん
ジェインの結婚は最善の結果といえるのかということとジェインの幸せとは何かという二つの問題提起をして十九世紀のイギリス社会と独立精神をもつジェインの結婚観について研究内容を発表されました。結論でジェインの結婚は最善の結果といえるのかについては作者シャーロットの理想の生き方と結婚を投影させた最善のエンディングといえると述べられ、ジェインの幸せとは何かについては情愛を基盤としたロチェスターとの結婚だと述べられました。

③『わたしを離さないで』から考察する人生とは 柿本瞳さん
探し物、故郷、生と死の三つの視点から研究されていて、探し物についてはファミリーネームの曖昧さとノーフォークへの小旅行でルース、トミー、キャシーが探していたものを述べられました。故郷については提供者にとっての故郷とキャシーにとっての故郷とはどのようなものなのかを述べられました。最後に生と死については一人のクローンによる人生の完結は次世代へのバトンタッチであると発表されました。

感想
今回の三組の中で二組が『ジェイン・エア』の研究をされていたけれど、同じ作品でも違う視点から研究されていたのでさまざまな考えが聞けて面白かったです。『わたしを離さないで』は演習Ⅳで読んだ作品だったけれど、授業で学んだこと以上に深いところまで研究されていたので新しい意見を聞くことができて『わたしを離さないで』がさらに面白い作品だと感じました。特に生と死について一人のクローンによる人生の完結は次世代へのバトンタッチであると述べられていたのが印象に残りました。

=====ここまで=====

ジェーン・エア』も『わたしを離さないで』も一人称の語りと、旅、主人公の成長、人気作で名作で映画化されたり舞台化されたり…など共通点がいろいろありますね。卒業研究に選んだ人も選んでない人も、今回の発表を思い出しながら読み直していただきたいです。