6月25日のゼミ日誌(第3期)

今回の日誌当番は檜垣さんです。

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今回は第9章の続きから入りました。担当は本山さんと山本さんです。
今回はベネット家の失礼な態度と、ダーシーとエリザベスの気持ちのすれ違いに重点が置かれています。

The youngest should tax Mr.Bingley with having promised on his first coming into the country to give a ball at Netherfield.の台詞から、リディアはお世話になっているビングリー氏に対して舞踏会の約束はどうなったのかと聞き、約束を守らなければ男の恥だ、失礼を述べます。これに対してベネット夫人はたしなめることもなく、むしろビングリー氏の返事に満足しています。この辺りから、姉を気遣ってビングリー姉妹に意見を言わなかったエリザベスと自分本意で意見を述べているリディアとの性格の違い、またベネット夫人がリディアを甘やかしているのが分かります。

9章の最後で、エリザベスは自分の家族の品の無い振る舞いがビングリー姉妹やダーシーの笑いのタネになるだろうと思っていますが、ダーシーは悪口を言わず、本人のいない場でも彼女を庇う様な素振りから、エリザベスに対する好意が分かりやすく伝わってきます。

10章では、Mrs. Hurst sang with her sister ,and while they were thus employed Elizabeth could not help observng as she turned over some music books that lay on the instrument, how frequently Mr.Darcy's eyes were fixed on her.の様に、エリザベスはようやくダーシーから向けられている視線に気付きますが、She hardly knew how to suppose that she could be an object of administration to so great a man; and yet that he should look at her because he disliked her; was still more strange.から分かるように、ダーシーの様な身分の高い男性が自分に興味を持つはずかないので、ビングリー姉妹と比べられているのだと勘違いしてしまっています。ここでも、エリザベスの観察眼がダーシーには働いていないのが分かります。ダーシーはHe really believed, that were it not for the inferiority of her connections, he should be in some danger.から彼女の親戚がこんなに身分が低くなければ恋のとりこになりそうだ、とまで考えていて、エリザベスとの気持ちの温度差が激しいなと感じた箇所です。二人共、身分の違いを気にしている描写があり、特にエリザベスを完全に好きになっているダーシーでも、「彼女の親戚の身分が低くなければ」と考えている所から、当時の身分の違いが結婚に及ぼす影響の大きさが窺えると思いました。

今回はダーシーがどんどんエリザベスに惹かれていく一方で、エリザベスは気付き始めても理解していないので、もどかしく感じましたが、身分の違いが〜と考えているダーシーが心はすっかり恋のとりこになっている辺りは冷静な性格に合わず、可愛らしく感じました。

次回からは個々の発表に移ります。
それぞれの視点での作品の見方を楽しんでみたいと思います。

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身分の差がこの段階での二人の恋路の邪魔をしている感がありますね。ミス・ビングリーがエリザベスを悪く言うときも、身分的なことを挙げているし。二人がハッピーエンドを迎えるために、気持ちを通じさせるだけではなく、まずはお互いの中で身分の壁を乗り越え、周囲を納得させていかなければなりません。階級は厄介だけどドラマを面白くしているとも言える?