7月16日のゼミ日誌(第3期)

今回の日誌当番は本山さんです。

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今日は3回目の発表でした。

初めに檜垣さんの「【高慢と偏見】の中の対照」というテーマでの発表がありました。対照には2つの意味があります。1つめは二つの事物を照らし合わせて比べるということ。2つめは全く性質の違う物どうしを並べ比べたとき、その違いがきわだつこと、とありました。今回檜垣さんの発表では【対照】という言葉を2つめの意味として定義していました。はじめに性格や恋愛観の違うエリザベスとジェイン、ダーシーとビングリーを比較した後、【分別と多感】についての紹介がありました。【分別と多感】では分別のあるエリナーと多感なマリアンという姉妹の恋愛と結婚を描いています。

登場人物を2人ずつ比較していったり、別の作品と比較したりと【高慢と偏見】を様々な角度から見ているようで面白かったです。
また、【家庭の天使】という言葉がよく使われていますがこの言葉は誤解を招きやすいので使用する際は「家庭の天使的な〜」や「家庭の天使と呼ばれるような」などの曖昧な表現を使用したほうが良いです。


次に徳石さんの「【高慢と偏見】、【分別と多感】の女性たち」です。
檜垣さんと同じく【分別と多感】を使用した発表でした。

エリナー(姉)は分別があり、どんなときも自制心を失わず、しっかりしていて冷静な判断ができ、マリアン(妹)は情熱的な恋愛に憧れ、時折感情を爆発させてしまい、何事においても悲しいにつけ、嬉しいにつけ、ほどほどというようなことがないような女性です。マリアンは常に全力なので、失恋した際も病気になってしまうほどです。

徳石さんが授業内で「ヒロインが2人いることで2人の内面の葛藤が表されている」と述べていましたが、【高慢と偏見】のオースティンも、【分別と多感】のエリナーとマリアンも、どちらも一人っ子だったとしたら心の葛藤も、そして成長もなかったのではないかと思います。

本文の中からマリアンの「人間は一生に一度しか恋はできない」というセリフと、エリナーの「ただひとりのひとを一生愛し続けるというのは魅力的だし、人の幸せはひとりの人だけを愛することにこかっているというのも一理はあるけど、絶対にそうでなければいけないというわけではないし、絶対にそうだというのも間違ってるし、だいいちそんなことは無理な話よ。」というセリフがありましたが、なんだかこの少し屁理屈っぽいようで筋が通っているような言い方がどことなくエリザベスに被るように思えました。

どちらも【分別と多感】を題材にしての発表でしたが、2人とも内容は全く異なるもので聞いていてとても興味深かったです。

===ここまで===

姉妹の性格の違いと恋模様の違いが面白いですね。『分別と多感』も面白いので、読んでいない人はぜひ読んでいただきたいです。