7月30日のゼミ日誌(第3期)

今回の日誌当番は上岡さんです。

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今回は5回目の発表でした。

初めに、今井さんと宇都宮さんの「イギリス文学から読む結婚」についての発表でした。『高慢と偏見』と『エマ』からうかがえる恋愛の共通点を紹介してくれました。主人公は自分の恋愛に対して鈍感なことや、交際する際に身分や財産を重視していること、女性の教養への関心が高いことなどが、2つの作品に共通していました。

オースティン時代のイギリスでは、女性は受け身であり、女性から先に愛を告白することはありませんでした。一八世紀半ばに、ハードウィッグ結婚法が存在し、段階を追って結婚が行われるようになりました。ハードウィッグ結婚法の特徴としては、未成年者の婚姻においては親の権限を絶対的なものに、教会挙式婚に厳格な法的拘束力を持たせた、秘密婚を無効にした、などがあります。

一方、現在の日本では、以前は女性にとっての結婚は生活のための手段でしたが、夫の収入に頼ることなく、自分の収入で自活できるように変わってきています。

次に、船井さんの「『高慢と偏見』、イギリスの相続事情と女性について」の発表でした。『高慢と偏見』が書かれた時代は、The Regenbcy. ジョージ4世の摂政時代でした。ジョージ4世は、皇太子時代から、カトリック教徒の婦人とひそかに結婚したり、ブライトンの離宮造営に大金を費やすなどしたため、不道徳な時代と言われています。

一七世紀のイギリスの地主階級は、広大な土地を分割せず何代も伝えていきました。親の土地は長男だけが相続し、次男以下や女子には相続権が与えられないという、検定相続の制度が取られていました。当時、女性は働くべきではないとされていて、唯一、女性に与えられた職業は、家庭教師でした。家庭教師は、身体を使わず頭を使うため教養がある、女性らしいと考えられていました。

「教養はあっても財産のない若い女性にとって、結婚は、人並みに生きるための唯一の生活手段であり、仮に幸福になれないとしても、飢えだけは免れるからだ。」この引用から、当時女性にとっての結婚は、とても重要だったことが分かります。

イギリスの相続事情について難しくてよく理解していなかったけれど、船井さんの発表で詳しく説明されていて分かりやすかったです。

『エマ』が面白そうなので読んでみたいと思いました。

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高慢と偏見』を軸にした発表をいろいろと聞いてきましたが、話があちらこちらへと発展して話題が尽きませんね。『エマ』も面白いので、上岡さんに限らず読んでいただきたいです。