12月4日のゼミ日誌(第2期)

今回の日誌当番は羽藤さんです。

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今回のゼミも引き続きNLMGの発表②で、担当は土井さん、内藤さんでした。

土井さんのテーマは「クローン人間の必要性」です。
クローンの悪い面として、生物としての多様性の減少、怪物を作り出し、犯罪に利用される可能性、優秀な軍隊による戦争の過激化、人口の急激な変化、を挙げていました。そして、不妊治療に役立つ、世に残したい優秀なクローンを作り出すことができるという一見、良い面にみらる部分にも、身に覚えのない子の誕生や命の軽視などの危険性が含まれていることを述べました。

また、クローン自身の問題として、誰かのコピーであるという自覚は、個人の自立を損ねる、という考え方から、自分のポシブルに対するルースの態度を引用しました。そして、ヘールシャムはクローンの人格を形成するような社会的システムであり、自身かクローンと知った時、それを受け入れられるような人格づくりが目的ではないかと推察されていました。これは、保護官たちが段階的に事実を告げていることを考えると納得しました。土井さんは結果として、クローンは不必要であり、生命誕生の感動を科学に奪われたくない、とまとめられました。

内藤さんのテーマは「Never Let Me Goの親とその関係は?−犯罪者の親子関係から考える−」です。
実際に日本で起きた四つの事件の犯人とその親子関係について発表されました。犯人たちはいずれも親の愛情を感じずに育ち、自分を理解してもらえないことで親に不信感を抱いていました。また、親側にも焦点が当てられ、大人になりきれない母親、完璧を求め、支配する母親、気分屋で暴力にたよる父親などが挙げられました。内藤さんはNLMGの保護官がもっとキャシーたちに愛があれば、彼女たちはより豊かに育ったのではないか、と発表されました。子供が成長する過程で自分を理解し、愛情を注いでくれる存在の必要性を感じました。NLMG の主人公たちの結びつきが強いのはお互いが理解し合い、愛情を注ぎあえる家族のような存在だからかな、と思いました。

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今回の発表は作品そのものというよりも、作品から飛び出して現在の日本における問題を考えるものでしたね。全員でNever Let Me Goを検討するのは今回で最後ですが、この作品は卒業研究にも取り上げられているので、その時にまた振り返りましょう。