12月10日のゼミ日誌(第3期)

今回の日誌当番は船井さんです。

===ここから===

今日から発表が始まりました。今井さんと宇都宮さんは『高慢と偏見』「Pygmalion」における「現実的な結婚」について、上岡さんはヒギンズとイライザの関係の変化について、檜垣さんは『ピグマリオン』から見られる恋愛観について、徳石さんは『ピグマリオン』イライザとヒギンズというテーマで発表してくれました。「現実的な結婚」とは金銭面を中心に考え、自分の地位や生活を確保するという結婚で、「理想的な結婚」とは相手に対する愛情、相手からの愛情を重視した結婚で憧れる女性は多いと思います。また階級問題にも触れていて、階級を見分ける指標の一つに体格が含まれることを初めて知りました。

ヒギンズとイライザの関係が共に訓練をして行く中で変化していく過程は明らかでヒギンズはイライザを彼なりにしっかり受け入れていっていたのではないかと気付きました。

そして恋愛をする上で重要なテーマとなる「ありのままの自分を受け入れてくれる相手」を選ぶか「自分が成長できるし、欲しいものを与えてくれる相手」を選ぶかという選択は色々な意見があり楽しかったです。イライザとヒギンズは恋愛観が正反対でイライザは相手をいたわりながら自然体で愛し合いたいと考えているのに対しヒギンズは自分に対し相手が何をしてくれるかが重要だと考えているため理解し合うことは難しいと考えました。

マイフェア レディとはメイフェアというロンドンの下町訛りの表現からきていることを初めて知りました。ヒギンズに喋り方を習いレディに変身したイライザがindependenceを失ったと感じたのは変身した今の自分には何もない。苦しい思いをしながらも自立して生きてきた。何も気にせずのびのび暮らしていた。という自尊心を失ったからだと思いました。イライザの父親も同じように階級の移動を拒んでいました。なぜなら中産階級道徳心を守らなればならないから。それは今まで自由きままに過ごして来た労働者階級の人びとにとっては苦痛だったのでしょう。お金と結婚は今も昔も変わらず大きなテーマとなり悩んでいる女性も多いことだと思います。生活をしていかなければならないので、お金や安定した暮らしが欲しい。しかし、愛情も欲しいし、自然体でいたい。

どちらをとるのが良いか。最善か。結婚は妥協だと何かで聞いたことがありますが、女性なら誰でも両方欲しいと思うのではないでしょうか。最近は女性が働く機会が増えてきているので悩むならいっそのこと一人で自由に気ままに暮らすのも一つの手かなと思いました。

===ここまで===

船井さんの言う通り、お金や安定した暮らしと愛情、どれも欲しい!というのは、誰でも(女性に限らず)が持っている本音でしょうね。1人だったら自由気ままだとも限らないし、誰かと一緒にいても自由気ままなこともあるし…と考えるとますます悩ましいですね。いずれにしても言えるのは、約200年前のPride and Prejudiceの頃も、約100年前のPygmalionの頃も、人はそういう悩ましさを抱えていたということでしょうか。