2016年10月26日のゼミ日誌

今回の日誌当番は林さんです。

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今回は第7章から第9章までしました。
 「限定相続」の問題を抱えるベネット家では、メリトンに国民軍が駐屯することが話題になっていました。そんな中、ビングリー姉妹からジェインへご飯の誘いがあり、ジェインは行くことにします。しかし、道中の大雨により風邪をひいてしまいました。そのため、しばらくネザーフィールドに滞在することにしました。姉が心配で仕方ないエリザベスは、歩いてネザーフィールドまで様子を見に行きます。ネザーフィールドに到着したときのエリザベスの外見は、昨日の大雨のせいでひどいものでした。ジェインがエリザベスと別れるのは不安だといったので、エリザベスもしばらくネザーフィールドに泊まることになりました。ジェインの容態がよくならないという手紙をエリザベスから受け取ったベネット夫人は、キティーとリディアを連れてネザーフィールドを訪れます。エリザベスは、母親の相変わらずのイタイ話にうんざりしていました。ベネット夫人が帰ろうとすると、リディアがビングリー氏に舞踏会をする約束はどうなったのか質問します。ビングリー姉妹やミスビングリーはダーシーに対してエリザベスのことをからかいますが、彼は相手にしませんでした。

あらすじはこんな感じです。
 
 リディアがビングリー氏に舞踏会の約束について質問するシーンがありますが、"From all that I can collect by your manner of talking,you must be two of the silliest girls in the country. I have suspected it some time, but I am now convinced."とキティーとリディアについてベネット氏が言っています。父親が自分の娘のことをここまでいうのは珍しいです。ですが逆に言えば、父親から見ても男にがっつきすぎていると言えます。ベネット夫人にかわいがられすぎたリディアもイタイ子になってしまっています(悲)オースティンがこの場面でリディアの性格について書いているのは、後に駆け落ちをするような大失態をする子と暗示しているのではないかとの意見もありました。
 リディアとキティーに対してジェインとエリザベスはとても落ち着いているような印象を受けます。"and as she was no horsewoman, walking was her only alternative. She declared her resolution."とあるように、エリザベスは歩いてでもジェインの様子を見に行くくらい姉思いです。この時代、女が一人で歩くというのはみだらでした。そんな周りの目を気にせず、歩いたエリザベスが私は好きです。ダーシーもこのやさしさに惹かれた部分があるのかなと思います。エリザベスのことが好きになっていくダーシーですが、完璧に彼女に惚れているとわかる文が"however could not be prevailed on to join in their censure on her, in spite of all Miss Bingley's wittticisms on fine eyes"です。からかわれても相手にしなかったくらい彼女が好きだと認めていたのでしょう。「高慢と偏見」も英語版であと1章となり、演習Ⅱで扱う教材も決まりました。みんなと一緒に文学を読んでいくと、自分が思っていなかった意見が聞けるので楽しいです。

===ここまで===

主要人物もそうですが、ベネット夫妻という脇役もキャラ全開で期待を裏切らず、面白いですね。ダーシー氏のエリザベスに対するのめり込具合も。ああいった両親が望ましいかどうかは別問題ですが。限定相続や軍隊駐留から察せられる当時の社会状況も興味深いです。