2016年11月16日のゼミ日誌

今回の日誌当番は星加さんです。

星加さんは早々と記事を送ってくれていたのに、アップが遅くなってごめんなさい。

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こんにちは!
今週は『Pride and Prejudice』の全体像についてのプレゼンテーションの一週目です。
今週行ってくれた皆さんのプレゼンテーションについての感想を書いていきたいと思います。

1.【高慢と偏見からみる結婚観】  井元さん、上岡さん
 お2人のプレゼン中、「結婚は家同士の利益のため、親が決める、本人同士の恋愛は無視」「階級違いの相手との結婚は禁止されていないが、社会から見放される」とありました。私はこれを聞いて、キャサリン夫人やビングリー姉妹は当時の結婚などへの価値観からみると常識的な人たちなのではと感じました。それが霞むくらい嫌味な人たちですけどね。
この小説を読んでいるとき、シャーロットは強かな人物で少し嫌な人だと感じていましたが、お2人のプレゼンを聞いてシャーロットもまた常識的な考えでコリンズ氏と結婚したのだと彼女に対する考え方が変化しました。

2.【『PRIDE AND PREJUDICE』における結婚観】  石川さん
 石川さんはプレゼンの中でイングランドでの駆け落ちについても説明してくれました。イングランドよりもスコットランドの婚姻法の方が慣用的だったそうで、地域差による違いが面白いと感じました。また、その説明を聞きながら以前受けたイギリス研究の講義中、「堕ちた女」について矢次先生が説明してくれたことを思い出しました。婚前の女性がもし妊娠してしまったりすると実家を追い出されてしまったり、他の姉妹の結婚が難しくなるそうです。ダーシー氏がリディアとウィッカムが結婚するように手助けをしたのは、エリザベスへの愛とこういった事情もあるのではないかと思いました。
 

3.【高慢と偏見〜女性の在り方〜】  藤井さん、横垣さん
 このお2人は当時の女性像を説明してくれました。当時の理想の女性像は「家庭の天使」であることでした。女性は完全に社会と断絶された状態であり、既婚女性は夫婦は一心同体なため妻の稼ぎも夫の財産とされました。現代では経済的DVと呼ばれるような扱いも当時の女性たちは耐えていたのでしょう。
 また、愛情のない結婚は「罪」とされていたなら、コリンズ氏の結婚は愛情がないのではないかという話題がでました。が、彼は牧師なので博愛精神の持ち主なのではと私は感じました。最も、キャサリン夫人に結婚しろと言われたから妻を探しているだけなのでしょう。

以上が私の感想です。同じ作品を読んでいても抱く感想が違っていたり疑問に思うことが違っていてとても興味深く感じ、矢次ゼミに入って良かったと思いました。来週のプレゼンもとても楽しみです。

===ここまで===

どれも興味深い発表でしたね。ただ、「家庭の天使」という言葉はPride and Prejudiceよりも、もっと後に使われるようになった言葉でした。「後の『家庭の天使』に見られるような考えが、Pride and Prejudiceにも見られるということでしょうね。この点については、あらためてゼミの中で説明しましょう。