2017年1月11日後半のゼミ日誌

今回の日誌当番は藤井さんです。

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今週と来週の2週を使ってNEVER LET ME GOの全体プレゼンが始まりました。5限目は石川さんと横井君の発表でした。

「自己探求」石川さん
NLMGにおけるアイデンティティについて考えました。石川さんはNLMGだけでなく、フランケンシュタインと比較していました。わたしはフランケンシュタインを見たことがなかったのですが、フランケンシュタイン自身も人間が創り出したものという点と、フランケンシュタインの脳は犯罪者の脳からできている点はキャシーたちのポシブルがヤクザやくず人間であるところと似ているなと感じました。神の領域を侵してしまった怪物とクローンたちは、人間でありながら人間でない、分類できない何かに分けられた存在として生きていかなければならない。それがどんな気持ちであるのだろうかと発表を聞きながら考えていました。人から除け者にされるほど孤独を感じることはなく、必要とされないのに生み出された彼に少し同情してしまいましたが、最後にフランケンシュタインのおぞましい容姿について話し合いました。その容姿がみんなから嫌われるほどだから、皮膚は焼けただれ、、などと考えはじめたら恐ろしくなりました。

NLMGにおける旅について」横井君
NLMGの中でキャシーは移動という名の旅をしながら、過去を振り返っています。過去を振り返ることで、現在にいたるまでの思い出の整理とキャシーに訪れる最後の仕事(提供)に向けて、最後を飾っているのではないかとわたしは考えます。これは第1章でキャシーが介護をしていた一人の提供者がヘールシャムの思い出を自分のことのように聞いていたという部分と似ていると思いました。また、横井君はキャシーの回想を「自分及び提供者たちの行き場のない気持ちを代弁し、自らの過去を語ることでクローンとしての自分の運命に抵抗しているのではないか」と考えていました。

わたしは『私の中のあなた』という映画も似ている部分があると思います。1人の人間として命を授かったものの生き方がどうあるべきか、考えは人それぞれではあるけれど、個人の権利を尊重してほしいとNLMGを通して感じました。来週の発表も楽しみです!

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旅とアイデンティティの探求は重要なテーマですね。石川さんが『フランケンシュタイン』を引き合いに出したように、その他のイギリス小説にも見られます。

数年前のゼミでNLMGを取り上げたときに、映画『私の中のあなた』の原作とNLMGを比較するという発表もありました。