【第5期】2017年5月17日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、村上さんです。

===ここから===

今回は石田さんが担当している部分の途中の7章から始まりました。

ロングボーンの近くのフィリップ夫妻が住んでいるメリトンという町には国民軍連隊が駐屯していました。メリトンにいる将校に会うことはキティーとリディアにとっての大きな楽しみとなっており、キティーとリディアに似ている部分があるベネット夫人はそのことに対して肯定的である一方、ベネット氏は否定的な態度を取るという内容です。
また、7章の最初に当時の遺産相続の話が出てきます。当時は相続資格者を男子に限定した「限定相続」が一般的でした。しかしベネット家には男子がいないため、この遺産は遠縁の親戚であるコリンズ氏に相続されることになります。
ベネット家は決して貧しいわけではありませんが、
・which, unfortunately for his daughters, was entailed in default of heirsmale, on a distant relation
・their mother's fortune, thought ample for her situation in life, could but ill supply the deficiency of his.
・brother settled in London in a respectable line of trade.
という風に、遺産相続の問題があったり、身内に地位があまり高くない者がいたりと難点が多いです。
↑ここまでが石田さんの担当で、次からは羽藤さんの担当の場面になります。

ビングリー氏からジェインに食事に誘う手紙が届き、ジェインは雨になりそうだからと馬車を使って行こうとしますが、ベネット夫人は「雨で帰れなくなればビングリー氏の屋敷でお世話になってもらえる」という思惑から、馬を使って行くことを提案します。結果、ジェインは大雨で帰れなくなり、しかも雨でずぶ濡れになったことにより体の具合が悪くなってしまいます。そのことを手紙で知ったエリザベスはジェインを心配してネザーフィールド屋敷へ向かいます。

ベネット夫人は娘が風邪を引いたことよりも、ビングリー氏の屋敷に泊まるという目的が達成されて喜んでいます。矢次先生が「ここを見ると、なんて母親だと思いますよね」と仰っていましたが、私自身も正直こんな母親は嫌だなぁ...という感想を持ちました。
また、ジェイン自身も手紙を「父親・母親宛て」ではなく「エリザベス宛て」に送っています。ジェインがエリザベスに手紙を送っているところを見ると、ジェインは父親と母親を信用していないのではないか?と察します。
そして、ジェインを心配し、雨でぬかるんだ3マイル(約5km)の道を歩いて向かうエリザベスの姿も印象に残りました。家族思いで、考えたことをすぐ行動に移せるエリザベスは本当にたくましい女性だなと思いました。

今回の授業は8章の最初からの場面を担当している前田君のところまで進みました。前田君のレジュメのあらすじを読み、泥だらけでネザーフィールド屋敷にやってきたエリザベスの悪口をビングリー姉妹が言っているところまで進みました。
次は8章の途中から始まります。
ビングリー姉妹とエリザベスの関係、今後のジェインの容態、ビングリー氏とジェインの関係、そしてダーシー氏とエリザベスの関係がどうなっていくのかが楽しみです。

===ここまで===

オースティンの他の作品もそうですが、Pride and Prejudiceには意外と?経済的な問題がしっかり書き込まれていて、ヒロインたちの恋愛や結婚と絡んでくるのですよね。その辺りもしっかり読んでいきましょう。