【第4期】2017年11月2日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、石川さんです。

===ここから===

今回は『ジーキル博士とハイド氏』を読み進めていく最後の回でした。

p.86~123の要約です。

ラニヨンの手記の続き)ラニヨンは小男を診察室に入れ、引き出しの場所を教えると小男はそれに飛びついた。小男は中にあった薬で混合物を作り、それを呷ると彼に変化が生じた。ラニヨンはその姿を見て叫んだ。なぜなら変化した姿はヘンリー・ジーキルだったからだ。その出来事はラニヨンを苦しませた。小男の正体はカルー殺しの犯人として指名手配されている男であった。

ジーキルの手記)ジーキルの欠陥の最大なるものは我慢のきかぬ快楽思考であった。ジーキルは人前では威厳を見せたい性質で、このことが二面的人生を送る原因となった。薬により容姿の異なるエドワード・ハイドになることができ、二つの外見と人格を持つことが可能になった。初めはうまくいっていたが、やがてハイドを制御できなくなり、ある日薬を飲んでいないにも関わらずハイドになってしまっていた。なんとか薬でジーキルに戻り、一度は薬から離れたものの、誘惑には勝てなかった。ハイドは死罪相当のことを行っていた。再びジーキルに戻ると、悔悟の念に苛まれ将来で償うことを心に決めたがまたハイドに気を許してしまった。ラニヨンの力を借り、ジーキルに戻ることはできたが長くは続かず、新しい薬は効かなかった。古い薬の最期の一服の力を借りて書いたのがこの手記であり、それがヘンリー・ジーキルの最期であった。

印象的なのが…I am now persuaded that my first supply was impure, and that it was that unknown impurity which lent efficacy to the draught. (p.121 l.20~23)という文章で、善悪が入り混じったジーキルと不純さが結びつけられているのではないか、と思いました。不純物であるからこそ、うまくいくことがあるという作者のメッセージのように感じました。

また、ジーキルの手記の終わりの…I bring the life of that unhappy Henry Jekyll to an end. (p.122 l.27~p.123 l.2)という言葉が、ジーキル自分勝手さがでているな、と思いました。ジーキルも苦しんだとは思いますが、全て自分が決めたことなのになあ…と感じて私はあまりジーキルに良い印象を持てませんでした。

次のゼミからは最後の卒業進捗状況の発表です。頑張りましょう。

===ここまで===

何となく知っているけれどもちゃんと読んだ人はそれほどいない『ジキルとハイド』。思った以上に難しかったのではないかと思います。来週から3回は卒業研究の進捗状況発表会ですが、それが終われば『ジキルとハイド』についての総合発表。楽しみにしています。卒業研究とうまく両立させてください。