【第5期】2018年5月24日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、村上さんです。

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今回のゼミは羽藤さんからのスタートでした。

ダーリントン卿がスティーブンスに父の体調はどうなのかと尋ね、父の任務を見直してはどうかということをスティーブンスに提案します。スティーブンスは翌朝、父に任務が書かれた紙を渡しますが、父の表情には感情のかけらもなく、両手にも緊張は見えませんでした。

‘Look here, Stevens, have there been any — well — signs at all? I means signs to tell us your father may be wishing his burden lightened somewhat? Apart from this business of him falling, I mean.’

ティーブンスとあまり目を合わさずに伝えていたり言葉に詰まっているところから、ダーリントン卿が任務を見直すことを言いにくそうにしているのでは?と考えられます。

また、父はスティーブンスから任務のことを聞かされても表情を変えず、以前よりも慎重に仕事に取り組んでおり、父自身はまだ仕事が出来ると思っています。

次の石田さんの担当箇所では、スティーブンスが1923年3月に開かれたダーリントン・ホールでの国際会議(ベルサイユ条約のドイツへの条項の改定をどうするべきかの会議)について回想しています。ダーリントン卿は友人の自殺などがきっかけでドイツ問題に時間を多く費やすようになり、この会議は重大な出来事でした。

I say this with some pride and gratitude – Lord Darlington never made any efforts to conceal things from my own eyes and ears; his saying to me as he folded The Times with some disgust:

ここで印象的だったのは、スティーブンスの語りには曖昧な部分も多いが、ダーリントン卿との信頼(スティーブンスに対しては何でも言えるという信頼)はあったのは確実だろうということです。

ティーブンスは卿の執事ですから、「自分の秘密は必ず守ってくれる」「反論をしない」ということもあり、「執事としての」信頼があったと言えます。

次の前田君の担当箇所は、要約と、ダーリントン卿がスティーブンスにした依頼についての話をしたところで来週に持ち越しになりました。

倒れたスティーブンスの父はその後、ワゴンを使って仕事に復帰します。国際会議が近づくにつれて緊張感が増したせいかスティーブンスとミス・ケントンがいさかいを起こし、スティーブンスは腹立たしく思いましたが既にお客様が来ていたためなにも言いませんでした。するとスティーブンスはダーリントン卿に「レジナルドに生命の神秘について教えてやって欲しい」と頼まれます。

ダーリントン卿からThe fact of life(生命の神秘=基本的な性の知識)を教えるように頼まれたスティーブンスは「出来るだけやってみます」と受け入れますが、ここを読んでいて、普通であれば困惑してしまうような依頼である気がしたのは私だけでしょうか?

これからダーリントン・ホールにはたくさんのお客様が訪れます。今後の展開がとても楽しみです。

===ここまで====

最初はぼんやりしていた物語の革新に迫っている、というか、ドラマチックになっていますね。時系列に整理しつつ、読み進めていきましょう。