【第6期】2018年5月30日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、武田さんです。

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5月30日のゼミでは、第7章の途中から第8章の途中まで読み進めていきました。あらすじは以下の通りです。

ジェインをネザーフィールド屋敷に泊まらせようとするベネット夫人の強い勧めで、ジェインは馬でネザーフィールドへ行くことになる。ジェインが出かけてからまもなく、ひどい土砂降りになり、妹たちはジェインの身を心配していたが、ベネット夫人だけは自分の案が上手くいったと大喜びだった。翌朝、ネザーフィールド屋敷にいるジェインからエリザベス宛てに手紙が届く。昨日の雨でずぶ濡れになり風邪を引いてしまったので、治るまでしばらく家に帰れないという内容だった。ベネット夫人は心配していなかったが、エリザベスはとてもジェインのことが心配になり、馬車がなくとも徒歩でジェインに会いに行くことを決める。急ぎ足で牧草地を横切り、夢中で歩き続け、屋敷に着く頃にはエリザベスは泥だらけの姿になっていた。そんなエリザベスの姿を見てネザーフィールド屋敷の人々は驚いたが、丁重に迎え入れてくれた。ジェインの容体はあまり良くなく当分看病が必要だということだったので、エリザベスもしばらくネザーフィールドに滞在することにする。ビングリー姉妹はジェインが目の前にいるときだけ彼女の容体を心配していたが、ディナーの時間にはジェインの病気のことなどすっかり忘れ、全く無関心というあからさまな態度を見て、エリザベスは姉妹のことがより嫌いになるのであった。

今回読んだ内容で印象に残った箇所は、
"and their indifference towards Jane when not immediately before them, restored Elizabeth to the enjoyment of all her original dislike."
という部分で、エリザベスが持つビングリー姉妹への明らかな嫌悪が伝わってきます。しかし文中の"enjoyment"から、単なる嫌悪ではなく「もとからの嫌悪の情にふける」という、エリザベスが姉妹に対して皮肉的な面白さも含んだ嫌悪を感じているということが分かります。これは和訳だけを読んだときには分からなかったことだったので、エリザベスの新しい一面を発見したようで印象的に感じた箇所でした。

また、エリザベスがジェインのことを心配し泥だらけの姿になってでも会いに行く場面は、エリザベスがジェインのことをとても大切に思っている気持ちが伝わってきて個人的に好きな場面です。しかし当時の社会では、身分が良い女性が一人で外を出歩くことは非常識なことだったらしく、そのような社会の常識を堂々と破ってしまうエリザベスは本当にすごい女性なのかもしれないと感じました。

今回は、エリザベスの行動、ベネット夫人やビングリー姉妹の発言から、登場人物たちの性格や気持ちについて深く読み取ることが出来たと思います。

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ベネット夫人が例によって?やりたい放題?で面白いのですが、「ああいうお母さんは困る」というコメント、確かにその通りですね。エリザベスの観察力と、ジェインに対する優しさが発揮された箇所でもありました。