【第5期】2018年6月7日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、矢原さんです。

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今回も『日の名残り』についての授業でした。担当は、羽藤さん、石田さん、前田くんです。

始めに、前回に残っていた松浦さんのレジュメを復習しました。
ティーブンスは「偉大な」執事について、父の死を思い出すとともに考えていました。国際会議を通して、スティーブンスが見てきた偉大な執事たちと、自分は匹敵したと考えています。

次に、羽藤さんの担当です。スティーブンスは車を走らせながら「偉大な」執事について考えています。そこで、羽藤さんが紹介してくれたのが、執事にとっての「名家」についてです。

ティーブンスより前の世代では

Where our elders might have been concerned with whether or not an emplyer was titled, or otherwise from one of the 'old' families,

雇い主に爵位があり、旧家であることが「名家」とされていました。

そして、スティーブンスたちの世代では

We were a much more idealistic generation.

(スティーブンス)私たちの方が理想主義だ、と語っていました。その他にも、人間性の進歩に寄与する人物に仕えていることなどもあげていました。

ティーブンスにとって、ダーリントン卿は徳が高い人物であることがわかります。
しかし、世間が思うダーリントン卿への評価にスティーブンスは気づいていたようです。

ここからが、次、石田さんの担当です。
ティーブンスは、車が故障したため助けを求めて屋敷を探しました。そして、ある屋敷で働く男と出会い、自分について話します。
男に、ダーリントン卿の元で働いていたのか?と聞かれた時に、スティーブンスはそれを隠しました。スティーブンスは、実は、ダーリントン卿が世間から良く思われていないことに気づいていたことがわかります。また、自分が思う「偉大な」執事を、自分から失くしてしまわないように、慕っていたダーリントン卿のことを隠し、嘘をついています。
ティーブンスは、旅を始め、屋敷の外の世界と関わったことで、考え方が少しずつ変わってきているように見えます。

そして、石田さんが先生も感心する面白い部分に着目していました。
ティーブンスの考えるジョークについて視点を置き、そこから見えるスティーブンスの新しい気持ちの変化などへのヒントになりました。これから、ジョークに関しての描写があった時には着目してみると面白そうだなと思いました。

最後に、前田くんの担当です。
ティーブンスは、マースデンの地名を見つけ、昔、銀器磨きで褒められたことを思い出します。

"By the way, Steavens, Load Halifax was jolly impressed with the silver the other night. Put him into a different frame of mind altogether."

ダーリントンホールで行われた非公式会議において、ファリファックスさんは、スティーブンスの銀器磨きに感動し、気持ちを変えたのです。

今回の授業は、スティーブンスの自慢話の場面で終わりました。

これから先、スティーブンスの中の自分への評価がどのように読み解けるのかとても楽しみです。

===ここまで===

ティーブンスが、心の中に隠していたことを隠し切れなくなる…、今後はそういう展開ですね。それがいったい何なのか。どのようなきっかけで隠し切れなくなるのか、じっくり読んでいきましょう。