【第5期】2018年6月14日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、石田さんです。

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今回は、村上さん、矢原さん、松浦さんがそれぞれ担当した場面を読み進めて行きました。

村上さんが担当したのは、ダーリントン卿がユダヤ人の召使いを解雇したことをきっかけに、ミスケントンとスティーブンスの間ですれ違いが起きる場面です。

ティーブンスは本心では、解雇の件を良くないと思っているにも関わらず、それを表に出さず卿の判断に忠実に従います。そして、それが執事として自分の取るべき行動だと思っています。スティーブンスは品格(dignity)という言葉で、自分が問題に向き合っていないことをごまかしているだけではないか、という点が印象的でした。「自分たち(召使い)には理解できない問題だから、ダーリントン卿のような偉大な方に任せておけばいい」といったスティーブンスの態度が、今後にどう影響するかも重要なところです。

この出来事に対しミスケントンは、”I will not stand for such things. I will not work in a house in which such things can occur.”と強い怒りを向けます。彼女が1番納得がいかなかったのは、スティーブンスが「何も感じてないような振り」(pretend)をしていたことでした。

矢原さんが担当したのは、ユダヤ人召使いが解雇された後に雇ったライザのことをスティーブンスが思い出す場面です。

ここでは、ライザが駆け落ちしてしまったことに対する、スティーブンスとミスケントンとの反応の違いが表れていました。ミスケントンが感情的になった場面として、スティーブンスの父親に関する場面、ユダヤ人召使い解雇の場面、そして今回のライザの件が挙げられます。「どのような時に、ミスケントンが感情的になっているのか」という視点では考えたことがなかったので、印象的でした。

また、ミスケントンに対して“no reason at all to feel any responsibility on your own part.”と励まそうとする、スティーブンスの優しさも描かれています。

松浦さんが担当したのは、スティーブンスとミスケントンの関係の変化が描かれている場面です。

ティーブンスは食器室のことを”a crucial office, the heart of the house’s operations”と表現し、重要な場所だと言っています。またスティーブンスは「完全に自分1人である時」以外は、執事であり続けなければならないと考えています。食器室での時間は、スティーブンスにとってプライベートなものであり、そこにミスケントンが踏み込んだことで、2人がただの同僚という立場ではなくなったように描かれています。

今回読み進めた場面では、ミスケントンの心情が気になるところがたくさんありました。ミスケントンの本心や過去については、想像するしかない点も多いので、そちらについても注目しながら読んでいきたいと思いました。

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ミス・ケントンが自分をどう思っていたとスティーブンスが考えていたのか、それを考えながら、ミス・ケントンが実際にはどのような人なのか、スティーブンスらのことをどう考えていたのか、映画に描かれているように、恋愛の要素が濃いのか、考えることがたくさんありますね。