【第6期】2018年6月20日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、日野くんです。

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6月20日のゼミは『高慢と偏見』に関する1回目の発表でした。

今回は結婚をテーマに絡めた内容での発表です。

物語内で結ばれる4組の夫婦に関する結婚観の違いや、結婚に至るまでの手段を細かく研究、解説されていました。当時の実際の中世ヨーロッパにおける風潮なども絡めて発表されており、非常に興味深かったです。また、著者であるジェイン・オースティンの私生活に関しても言及されており、物語と著者の共通点やギャップも楽しむことができました。

当時の女性は家庭の財産の多くを相続するのが難しく、生活を営んでいくには結婚するか家庭教師になるか等の狭い選択肢から選択していく必要がありました。しかしながら、結婚までの道のりでは男性に選択権が多く委ねられており、女性は受け入れるか否かの選択のみがほとんどであったようです。そのような点も影響し、よほどでない限りは離婚することはありません。

当時の結婚観ににおいては、4組の夫婦がうまく表しており、最も衝撃的だったのはコリンズ氏とシャーロットの結婚観です。「結婚による幸福は運である」、「相手の欠点など知らないほうが良い」という言葉からも見られるように、経済的な自立のみを目的とした打算的な結婚観を持っています。

当時は簡単に離婚することもできない風潮であるにも関わらず、相手の性格や自分との相性を知ることなく人生のパートナーを選ぶというのは、ほとんど人生を賭けに出すようなものだと思い、個人的にはとても理解ができない結婚観だと感じました。

著者であるジェイン・オースティンは生涯独身であり、打算的な結婚に関しては批判的な考えを持っていました。『高慢と偏見』は当時の女性の結婚に対する気持ちや風潮を描いたものであるとだけ思っていたものの、この作品自体がオースティンの大きな皮肉であると感じました。小説内の冒頭、”It is a truth universally acknowledge, that a single man in possession of a good fortune, must be in want of a wife” という文と小説の内容におけるギャップもオースティンの皮肉として感じるようになりました。

今回の発表によって、また違う観点から小説を楽しめるようになり、他の人が持っている意見や観点を溶融することは、自身の観点を増やすことにもつながるため非常に大切なことだと感じ、次回のゼミを楽しみにしたいと思います。

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最初の発表なので、要領を得ないところもあったかもしれませんが、気づいていなかった点が指摘されるなど、それぞれに考えさせられる点があったと思います。これを繰り返すことによって、授業外でも自分の意見をきちんとまとめて言えるようになっていただきたいです。