【第5期】2018年6月21日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、羽藤さんです。

===ここから===

前回からスティーブンスとミス・ケントンの出来事を考察しています。私の担当部分は、2人が夜行っていた話し合い(ココア会議)がなくなってしまうというところです。パーティのことで話し合いを進めるスティーブンスですが、ミス・ケントンはどこか上の空でした。話し合いが進まないと思ったスティーブンスはココア会議をやめると言います。ミス・ケントンは今日調子が悪いだけだ、と言い返したが、スティーブンスはココア会議はやらないと言います。
‘But they are inconvenient for you, Miss Kenton. They tire you out. May I suggest that from now on, we simply make a special point of communicating important information during the course of the normal working day. Should we not be able to find each other readily, I suggest we leave written messages at one another’s doors. That seems to me a perfectly fine solution. Now, Miss Kenton, I apologize for keeping you up so long. Thank you very kindly for the cocoa.’
ティーブンスはこのことを決定的な「転機」だと語っています。また会議を廃止してから2人の関係は坂道を転がるようだと語り、後悔している様子がうかがえます。

石田さんの担当のところは旅をしていく過程で、「混乱を整理できる時間や、誤解を訂正できる機会」が無限にあるわけではないと気づくところです。ミス・ケントンからの手紙も実際に書かれてあること以上のことをくみ取って考えてしまっていたと気づきます。またテイラー夫妻の食堂で村人たちに身分を誤解され、居心地の悪い思いをします。
we don't stand on ceremony here when it comes to expressing opinions.
ミスター・スミスたちは自分で自分の意見を言うことが正しいと考えていて、反対にスティーブンスは重要な問題は重要な立場にいる方に任せた方がいいと考えています。

前田くんの担当のところはその前を具体的に語るところです。ミスター・スミスが「品格」について語ります。それは努力したら身に付けられるということです。また自分たちが主張をして戦ったということが「品格」の1つだと語っています。スティーブンスはユダヤ人の件もあり、ミスター・スミスの考える「品格」とは違う考えを持っているようです。

私はスティーブンスの考える「品格」というものが正直よくわかりません。この食堂では、スティーブンスが卿の元で働いていることを隠したいという気持ちが、自分の卿を執事として慕っている様子とは裏腹で、人の心の中というものがとても表れている部分だと思いました。周りからの評価というものは自分が思っている以上に気になることだと思います。スティーブンスもそこのところは無視できないのだと感じました。

===ここまで===

ティーブンスの品格とは何か。『日の名残り』を貫く謎、というか、議論が絶えない点です。じっくり考えていきましょう。