【第6期】2018年7月18日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、渡辺さんです。

===ここから===

7 月 18 日のゼミは、後期で読みたい作品についての第二回目の発表でした。今回は五名の方がプレゼンをしてくれました。

まずは『オリヴァー・トゥイスト』、こちらは白田さんと浜崎さんの二人が紹介をしてくれました。これは『クリスマス・キャロル』などで知られているチャールズ・ディケンズの作品で、孤児として育てられた主人公、そしてタイトルにもなっているオリヴァー・トゥイストを通し、産業革命期の下層階級の子供たちを描いています。ディケンズの作品は彼の生きてきた経験、境遇が反映されており、当時の”子ども観”を描いたものとしても有名です。そして今回二人の説明を聞き、この作品はオリヴァーが純粋で善良な心を失わないままに人々の愛情に恵まれるという、ある意味作者であるディケンズの理想的な子供となれた少年の物語であるようにも思え、興味を引かれました。彼がそうなっていく経緯、物語はとても気になるところですね。

次は『不思議の国のアリス』でした。私自身、実はアリスの物語を本で読んだことは一度もなく、何となくの知識しかなかったので、今日のあらすじを聞いて初めて知ったこともありました。そして何より、作中に言葉遊び(お伽噺としての「tale」と尻尾の「tail」等)があったり、当時のイギリス英語や文化との関係によって生まれた登場人物や名称があるということに非常に驚きました。実際に存在するイギリスの童謡や詩が作中に登場するということもあり、イギリス文化を楽しく、そして興味をもって学ぶにはとても良いテーマに思えます。

そして『宝島』についてです。二つの架空の島に基づいて描かれた作品ということで、主人公であるジムが財宝を探すための旅に出る、というところが面白そうなストーリーだなと思いました。そして私が特に印象深く思ったのは、海賊旗についてです。今では危険なもの、触るべきではないものなどにつけられているイメージがある髑髏とクロスされた骨のイラストですが、この旗のもつ本来の意味は「争わなければ誰も怪我をしない」ということだったと知り、とても驚きました。このように、当時と現代では意味合いや使われ方が異なっている、または変化したモチーフ、言葉などがあるということが知れて面白かったです。

最後は『天使の踏むも恐れるところ』です。こちらは『高慢と偏見』のように、ある二つの要素の対比を描いた作品であるというところに興味が湧きました。この時代、普通ならおしとやかな女性を主人公とするところを、あえて活発な女性を主人公として物語を描いたことで見えることは何だろうかという疑問は、『高慢と偏見』のエリザベスとシャーロットのように、一度じっくり考えてみたいテーマの一つです。そして読み終わった後、タイトルにもある天使とは、そして本当の愚か者とは一体誰なのかを改めて考えてみたいです。個人的にも、今後読んでみたい作品のひとつになりました。

今回で二回目の発表となりましたが、回数を重ねる毎にどれもこれも読んでみたくなって迷ってしまいます。次回の発表で読みたい作品についての発表は最後ですが、後期で何が選ばれてもきっと楽しめると思いました。

===ここまで===

演習Ⅱで何を読むか、ますます迷うところですね。25日の発表まで待って、何を読むか決めましょう。