【第6期】2018年10月10日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、巨島さんです。

===ここから===

アボット嬢からの電報が届くが、ヘリトン夫人の納得する答えではなく、直感でリリアの婚約者がイタリアの貴族ではないと悟るや否や息子のフィリップをリリアのいるモンテリアーノに向かわせた。フィリップはモンテリアーノに着くと、アボット嬢に会い、すぐさまリリアの婚約者についての質問を浴びせる。アボット嬢は、なんとか婚約者の身分は誤魔化しつつ、アボット嬢自身も彼を気に入っていると答えた。2人が馬車で会話を続けるもあっと言う間に屋敷に着き、フィリップは尋常ではない歓迎を受け、晴れ晴れとした表情のリリアから婚約相手であるジーノを紹介される。ジーノの第一印象から好ましい印象を抱かなかったフィリップは、その後もジーノの言動に嫌悪感を抱いた。リリア、ジーノ、アボット嬢と夕食を共にした後、フィリップはリリアと2人だけで話がしたいと部屋を移し、彼女にジーノはリリアに相応しくない相手だと説得しようとするが、リリアは断固として反対し口論となる。最終的にジーノを部屋へ招き、2人きりになった後、フィリップはジーノにリリアと別れてくれたら報酬を出すともちかける。フィリップから告げられたことに驚いたジーノだが、もう既にリリアと結婚していることを伝える。その際、ジーノから乱暴を受け怒ったフィリップは、ここにはいられないと泣くアボット嬢を連れてソーストンへ帰っていった。リリアとジーノの結婚生活は二人が初めて出会った場所で始まった。ジーノは自身の家族も一緒に暮らすことを提案したが、拒絶を示したリリアを見て、結果彼の家族と暮らすことはなかった。

“‘Welcome!’ she cried. ‘Welcome to Monteriano!’”
“‘You told me to come here,’she continued,’and I don’t forget it. Let me introduce Signor Carella!’”
“What an angel...have had a mauvais quart d’heure.

フィリップが屋敷に着いた場面でのリリアの発言です。フィリップとアボット嬢が内心どんな気持ちでいるのかも知らずに、興奮した様子でフィリップを屋敷に迎えいれています。この場面から日野くんも言っていたように、リリアが様々な点で無神経であり、鈍感であるということが分かりました。また、リリアはこの屋敷の主人ではないにも関わらず、’Welcome !’といの一番に挨拶をし、自分が主人であるかのような振る舞いをしています。ヘリトン家に来てから12年間ずっと教育され苦しめられてきたからこそ、リリアは少しここで見栄を張ってみたかったというのも1つの可能性ではないかと感じました。

今回は授業の見学者の人が沢山来ていたので少々緊張しました。フィリップの制止を跳ね除け、大きな選択を成したリリアとジーノですが、次回からはいよいよ2人の結婚生活が本格的に始まります。気を引き締めて読み進めていこうと思います。

===ここまで===

精一杯のリリアの見栄が痛々しく、鈍感なままでもいられず…。リリアとジーノの結婚生活が今後どうなっていくのか、しっかり読んでいきましょう。