【第6期】2018年11月7日のゼミ日誌

今回の日誌当番は、濱崎さんです。

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今回は、p61の白田さんの担当の続きからです。

アボット嬢の働きかけもあり、ヘリトン夫人がプライドと他人から慈悲深さが足りないと見られることが我慢できないので、赤ん坊を引き取るという意見に変わった場面。ヘリトン夫人は、フィリップとハリエットをイタリアへ向かわせることにする。フィリップはこの旅が、非常に滑稽で楽しい見世物のように思い始める。また、フィリップはイタリアでリリアの悲劇やジーノのこともあり、イタリアへの価値観は最初のように憧れで、美しい国というだけではなくなる。

‘Harriet shall go too. Harriet, now, will be invaluable!’ (P68 L6)

引用は武田さんの担当の場面で、ヘリトン夫人が、ハリエットをフィリップの旅に同行させるときに言った言葉です。なぜハリエットを旅に同行させるかというと、ハリエットは母親の意見に従い、その使命感に燃える性格だとヘリトン夫人は分かっていたからということでした。ハリエットが厳格な国教会徒であることや、フィリップも母親の行動に賛成ではないものの母に従っていて、ヘリトン夫人は、自分の子どもたちに自分に従わせるようなしつけをしてきたのではないかと思いました。私が面白いなと思ったところは名本さんが引用していた部分です。

‘Lilia was asked by such a nice young gentleman, with curls all over his forehead, and teeth just as white as father makes them.’ Then his manner changed. ‘But, Harriet, do you see nothing wonderful or attractive in that place nothing at all? (P72 L2)

フィリップがイタリアで結婚したリリアのことを皮肉に言いながらも、リリアと比較して姉にはそんなことは絶対できない、とハリエットのことも皮肉に言っていることが分かりました。リリアの生き方に賛成はできないけど、姉のような人生もつまらないと思っているフィリップの様子が表れていると思いました。私の担当した場面は、イタリアでアボット嬢とフィリップ、ハリエットが再会するところでした。ここでは、アボット嬢がどういう立場でイタリアへ来たのかが描かれています。フィリップにとってのアボット嬢がスパイとは、反逆者とは、どういうことなのか、フィリップのいうアボット嬢の罪は何なのかを深く考えることができました。

読み進めるごとに、急展開や、登場人物たちがそれぞれに作用されたりして、心情や価値観の変化が起こるので注意して読みたいです。また、来月には発表もあるので、授業と並行して自分の発表するテーマやポイントを探りたいと思います。

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リリアの赤ん坊を軸に話が進んでいますね。それなのに、赤ん坊の幸せについて本当に考えている人はいないような…、この辺についても考えてみていただきたいです。